不登校

不登校でゲームばかりで勉強をしないのは普通?勉強との両立方法6選

不登校でゲームばかりで勉強をしないのは普通?勉強との両立方法6選

不登校にまつわるお悩みでよく話題にあがるのが「勉強をせずゲームばかりしている」というものです。

こんな状況が続いてしまうと、このように考えてしまいますよね。

  • このままで大丈夫なのかな…
  • 勉強をしてもらいたいけどどうすれば良いのかわからない…
  • ゲームを取り上げるのが正解なのかな…

そこでこの記事では、現在オンライン家庭教師として毎日授業を実施している「元ニート」「ゲームオタク」の筆者が、「不登校とゲーム」というテーマについて深掘りをしていきます。

なお、今回の記事の作成にあたって、私たちオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」で、不登校指導を実施している「さとしん先生」に協力していただきました。

記事作成に協力してくれた先生
  • さとしん先生
  • 不登校の子をフリースクールで15年以上に渡り支援
  • 「親の会」への支援活動にも参加
  • 「全ての子どもの命と存在を肯定する」ために不登校支援活動を続けている

さとしん先生の詳細はコチラから!

なぜ、不登校の子はゲームにハマるのか。依存症を疑うべき?

ゲームにハマっている様子

不登校でゲームばかりしている子に勉強をしてほしいなら、まずは「なぜゲームにハマるのか」という点を正確に理解しておく必要があります。

  • 不登校の子がゲームにハマる理由
  • 不登校の子がゲームにハマるメリットとデメリット
  • ゲーム依存症とは?基礎知識を身につけておこう

はじめにこの章では、上記の点について解説していきます。

不登校の子がゲームにハマる理由

はじめに、不登校の子がゲームにハマる理由についてですが、結論から言うと下記のようにまとめられます。

ゲームにハマる理由
  • 心理的、社会的な問題を抱えているから
  • 依存しているから
  • 学校、部活、勉強よりも楽しいから
  • 現実逃避しているから
  • 自己肯定感や承認欲求を満たせるから

このようにさまざまな理由がありますが、いずれのケースでも共通しているのが「心理的、社会的な問題を抱えている」点です。

つまり、不登校やゲーム依存は「背景にあるもの」に注目することが大切であり、表面的な部分で対処しようとしても根本的な解決にはなりません。

出典:子どもの7%にゲーム依存症の可能性 コロナ禍における小・中・高校生の大規模疫学調査の結果を報告しました – 長崎大学

不登校の子がゲームにハマるメリットとデメリット

まずは不登校の子がゲームにハマる理由を説明しましたが、「ゲームが100%悪いものなのか」という視点を持つことも大切です。

ここでは、不登校の子がゲームにハマるメリットとデメリットについて解説していきます。

メリット

  • 現実逃避ができる
  • つながりを感じられる
  • 没頭、熱中できる
  • 将来へのきっかけが生まれる

まずはメリットについてですが、上記のようにまとめました。

不登校の子の多くが「現実逃避」のツールとして、ゲームを活用していることは間違いありません。

「現実逃避」と聞くとネガティブな印象を持つものですが、すべての人間が現実からの重圧に耐えられるほど、強くできているわけではありません。

とりわけ成長途上にある子どもなら、「学校」「勉強」「部活」といった現実にうまく適応できず、「逃げの選択肢」としてのゲームをチョイスしてしまうのは仕方ないという見方もできるでしょう。

つまり、不登校の子どもたちにとってゲームとは「1つの避難先」であり、だからこそ「ゲームなんてやめなさい」という一言でそれを取り上げてしまうのは正しいことなのかどうか、熟慮する必要があります。

また、ゲーム内での連携やフレンドとの交流で「つながり」を感じられたり、没頭、熱中できたり、あるいは「ゲーム関係の仕事につきたい」など、将来へのきっかけが生まれるといったメリットがあげられます。

筆者もニート時代、どうしようもない現実から逃げるために、ひたすらゲームに明け暮れていました。もちろん、逃げてばかりでは先に進めないので、時期を見て少しずつ向き合っていくことが大切です。

デメリット

  • 依存症になる、あるいは悪化する
  • 学力の遅れがどんどん進行する
  • 社会的に孤立する、手詰まりになる

続いてゲームにハマるデメリットですが、無数にあるので代表的なものを取り上げるにとどめました。

最大の懸念は「依存症」ですよね。

多くの方は依存症を「ハマっている状態」だと思っていますが、多くの研究により、脳の構造変化、言い換えれば「脳の病気」であることが明らかになっています。

出典:ネットゲームの過剰利用で脳機能が低下する ~見えてきた依存のメカニズム~ – NHK

つまり、放置するとどんどん悪化してしまい、元の状態に戻すのがどんどん大変になっていくということです。

また、ゲームにハマっている時間、登校している学生たちは授業を受けているので、学力の遅れがどんどん進行していきます。

加えて、学校に行かなくなると、「進学が難しい」「就職が難しい」など、社会的に孤立を深め、少しずつ人生が手詰まりになる可能性もあります。

こういった事態を防ぐためにも、「通信制高校」「フリースクール」といった選択肢を検討することも大切です。

ゲーム依存症とは?基礎知識を身につけておこう

ゲームをプレイする様子

学校に行かずにゲームばかりしていると、ゲーム依存症を疑いたくなるものですよね。

先述のように、ゲーム依存症は「脳の病気」と捉える必要があるため、もし依存症だとしたら早めの治療が必要になります。

とはいっても、「どこまでが普通でどこからが依存症なのか」を見極めるのは専門家でも難しいため、一般家庭では限界があるのは明らかです。

参考までに、国立病院機構院長の樋口進は、下記がゲーム障害(依存症)における「8つの兆候」「4つの診断項目」であると解説をしています。

8つの兆候
  1. ゲームをする時間がかなり長くなった
  2. 夜中までゲームを続ける
  3. 朝起きられない
  4. 絶えずゲームのことを気にしている
  5. ほかのことに興味を示さない
  6. ゲームのことを注意すると激しく怒る
  7. 使用時間や内容などについて嘘をつく
  8. ゲームへの課金が多い

まず「8つの兆候」についてですが、こちらは言われれば納得するものばかりです。

簡潔にまとめれば「普通ではない執着」を見せている状態だと言えるでしょう。

4つの診断項目
  1. ゲームをする時間をコントロールできない
  2. ほかの生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先する
  3. ゲームによって問題が起きているにもかかわらずゲームを続ける
  4. 学業や仕事、家事などの日常生活に著しい支障がある

次に「4つの診断項目」についてですが、こちらは上記4症状が「12カ月以上続く場合」に確定診断がされます。

しかし、4つの症状がすべて当てはまり、なおかつ重症である場合は12カ月より短くても診断することがあるので注意が必要です。

出典:やめられない怖い依存症!ゲーム障害はひきこもりの原因にも 治療法について – NHK

重度のゲーム障害(依存症)の場合、家庭や教育サービスだけで対処をするのは困難を極めるので、躊躇なく「医療機関」の利用をすべきです。

まずは「ゲームにハマる」という点について深掘りをしていきました。次の章ではこの記事のテーマでもある「勉強との両立」をする方法について解説していきます。

不登校でゲームばかりしている子が「勉強との両立」をできるようになる方法6選

ここからは、この記事のテーマでもある「勉強との両立」をする方法を下記の6つ紹介していきます。

  • 周りの人間や専門家を頼る
  • 子どもと対話し受け入れる
  • 子どもと一緒にゲームを楽しむ
  • 子どもをコントロールしようとしない
  • スケジュールやルールを本人に決めさせる
  • 勉強とゲームを関連させる

いずれも大切なポイントなので、順番にチェックしていきましょう。

周りの人間や専門家を頼る

学校の廊下

ゲームにハマっているかどうかにかかわらず、不登校問題は子ども本人、そして家庭を孤立させます。

孤立させる一番の要因は「解決が難しいから」という点に集約されるでしょう。

不登校問題は、「子どもですら原因がわからない」ことが多いため、親や先生がわかるわけがありませんよね。

現場の感覚としてお伝えしておくと、不登校の子に対して「なんで学校に行かないの?」と質問をしたとき、下記のように答えが返ってくることに対してよく相談をされます。

  • わからない
  • なんとなく
  • 行きたくないから

これはふざけているのではなく、本当に「わからない」のです。

だからこそ、「親なんだからなんとかしないとといけない」といった固定観念は捨て、積極的に周りの人間や専門家を頼るべきです。

誰かに助けを求め、サポートを受けることは、決して恥ずかしいことではありません。

私たちオンライン家庭教師「まなぶてらす」には、不登校指導に精通した先生が多数在籍しており、不登校の子に向けた対応にも力を入れています。

気になる方は、こちらの記事にて詳細をチェックしてみてください。

オンライン家庭教師「まなぶてらす」の不登校への取り組み
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子どもと対話し受け入れる

不登校問題を取り扱う上で、絶対に避けては通れないのが「子どもと対話し受け入れること」です。

「子どもとの対話」については、多くの家庭でできていることだと思います。

しかし、軽視されているのが「受け入れること」です。

子どもと対話をする中で、必ず「どうして学校に行きたくないの?」「どうしてゲームをずっとやっているの?」といった質問が生まれるはずです。

そのとき、下記のような「身もふたもない答え」が返ってくることもあるでしょう。

  • 学校に行きたくないから
  • ゲームが楽しいから
  • ゲームがしたいから

確かにこのような答えは、親目線に立つと「身もふたもない答え」です。

しかし、子ども目線に立つとこれが本音であることもまた事実です。

したがって、このような答えが返ってきても、頭ごなしに否定したり、感情的になるのではなく、粘り強く向き合っていくことが大切だと言えます。

「あなたのことを100%受け入れている」という姿勢を示し続けることで、子どもは自分の気持ちを素直に吐き出すことができます。

そして、対話を重ねていく中で、少しずつ子どもが抱えている心理的、社会的問題が浮き彫りになっていき、それを共に解決していくことでゲーム問題、ひいては不登校問題は解決に向かうのです。

不登校問題の解決について、より詳しく解説したこちらの記事も参考にしてみてください。

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子どもと一緒にゲームを楽しむ

ゲームを楽しむ様子

「子どもが不登校でゲームにハマっている」という状況を逆手にとって、「親も一緒に楽しむ」という観点に立つのも1つの選択肢です。

日中もずっと家にいる子どもにとって、家こそが子どもにとっての唯一の居場所であり、ここで「笑顔で過ごせるかどうか」は極めて重要なことです。

また、子どもと一緒に遊ぶ中で、これまで見られなかった一面や成長を目にすることができるかもしれません。

逆に、これまで気がつかなかった欠点に気がつけるかもしれません。

楽しそうにゲームの話を聴いてあげるだけでも効果アリなので、ぜひ試してみてください。

子どもをコントロールしようとせずゲームを取り上げない

ゲームにハマっている不登校の子どもにとって、ゲームこそが唯一の「よりどころ」である可能性が高いです。

一方で、親の目線に立つと、ゲームばかりしている子どもに対して「いい加減にしてほしい」といった形で、強いフラストレーションを抱くのは避けられません。

しかし、このような強いネガティブな感情から、「子どもをコントロールする」ことで解決に向かうのは悪手です。

まずは、「子どもは自分とは違うひとり人間」である事実を受け入れ、その上で良い方向へと「導く」ようなアプローチが求められます。

時には、「子どもの好きなようにやらせる」ような方法論も有効なので、さまざまな方向から子どもを「導く」ことを検討してみてください。

なお、不登校は、下記の6つのステップを経て少しずつ回復を見せていきます。

不登校の回復過程
  1. 信頼できる人間と交流を重ねる
  2. 学校の外に居場所を見つける
  3. やりたいことを見つける
  4. 学校に通う意義を再認識する
  5. 学校に部分的に通う
  6. 学校に通う

ゲームを取り上げてしまうと、「親のことを信頼できず」、「自宅が居場所にならず」、「やりたいことができない」状態になってしまうのは言うまでもありません。

つまり、ゲームを取り上げてしまうことは、不登校からの回復を大きく妨げる可能性があります。

この「不登校からの回復」というテーマについて、より詳しく解説したこちらの記事も参考にしてみてください。

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スケジュールやルールを本人に決めさせる

子どもを「導く」上で重要なことが、「本人に決めさせる」ということです。

本人に決めさせるメリットは下記の通りです。

  • 責任が生まれる
  • 達成感を感じられる
  • 自信につながる

キーワードは「責任」「達成感」「自信」の3つ。

成長につながるこれらに結びつけられるので、必ずトライしてみてほしいアプローチ方法だと言えます。

そして、自分でスケジュールやルールを決めさせる上で、極めて重要なことが「スモールステップ」を徹底することです。

往々にして、スケジュールやルールを決めるとき、指導者と子どもの双方が「実現不可能な目標」を設定してしまいがちです。

例として、「1日5時間ゲームをしていて勉強習慣がない不登校の子」に対する、「実現不可能な目標」の設定例を取り上げます。

実現不可能な目標
  • 1日3時間勉強する
  • 1週間で30ページ進める
  • ゲームは1日1時間まで

目標だけ見れば、とても素晴らしいもののように見えます。

しかし、このような目標は子どもに失敗体験を与えるにすぎず、決してポジティブな影響は与えません。

筆者の経験上、家庭学習習慣がない子が1日1時間以上勉強をすることは不可能です。

また、ゲームを1日数時間プレイしている子が、1時間で満足することもまた不可能。

したがって、下記のように目標、ゴールを立てることが重要です。

実現可能な目標
  • 1日10分勉強する
  • 1週間で4ページ進める
  • ゲームは1日4時間まで

このような目標は「スモールステップ過ぎて」、まったく意味がないように思えます。

しかし、これはあくまで初期段階の目標に過ぎないので問題ありません。

少しずつ負荷を上げていって、粘り強く子どもと向き合っていく覚悟が必要です。

なお、この「スモールステップ理論」を不登校の勉強に応用した、こちらの記事も参考にしてみてください。

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勉強とゲームを関連させる

「勉強は真面目に真剣に取り組むもの」

多くの子ども、そして大人たちは、勉強に対してこのようなイメージを持っています。

現役講師の立場から率直に言って、このような「思い込み」が勉強をしないという問題を生じさせています。

勉強には「遊び心」「楽しさ」があって然るべきであり、ポジティブな気持ちで取り組むことがとても大切です。

そして、ゲームにハマっている不登校の子にとっての「楽しさ」とは「ゲーム」であり、勉強とゲームを関連させるというアプローチはとても有効です。

「メタバース自習室」でゲームっぽく勉強を楽しもう

オンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」では、メタバース自習室という「まるでゲームのような」空間で自習室を提供しています。

詳細は上記動画をご覧ください。

ご覧のように、図書館のような仮想空間に子どもたち、そして見守りの先生たちが集まり、毎日楽しく自習を行なっています。

ひとりひとりアバターが作れるので、「遊び心」「楽しさ」は満載で、ゲームっぽい雰囲気も十分感じられるでしょう。

この取り組みは業界内でも注目を集めており、これまで読売新聞など多くのメディアで取り上げられました。

読売新聞の1月31日付けメタバース自習室の紹介

「まなぶてらす」への無料の会員登録のみで、誰でも「完全無料」にて利用できるサービスなので、不登校の子の学習習慣の定着にぜひ利用を検討してみてください。

なお、メタバース自習室について興味を持っていただけた方は、こちらの記事も参考になるはずです。

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まとめ

ゲームにハマっている不登校の子への対応は難易度が高く、家庭だけの対処には限界があります。

今回紹介した内容を中心にこれまでと少しアプローチを変えながら、粘り強く向き合い続けることが大切です。

一方で、ゲーム依存症やゲーム障害のような兆候が見られる場合、医療機関や専門機関による治療が求められます。

いずれにせよ、親や家庭が抱え込むのは危険なので、周りの人間やサービスを積極的に頼りましょう。

私たち「まなぶてらす」には、不登校対応に経験のある先生が多数在籍しているのでお気軽にご相談ください。

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