「宿題」という2文字を見ると、大人、子ども、関わらず「嫌だな」といったネガティブな感情を抱くと思います。それくらい、日本人にとって宿題とは「やりたくないもの」として刷り込まれています。
そもそも、どうして宿題が必要なのでしょうか?家庭学習とはどう違うのでしょうか?色々な疑問が湧いて出てくると思います。
そこでこの記事では、現役のオンライン家庭教師が「宿題の重要性」について取り上げていきます。宿題についてより深く知っていきたい方の参考になるはずです。
宿題の役割や意味をもう一度考えてみよう
「宿題をやるのは当たり前」
多くの方は、このような刷り込みのもと、育ってきたと思います。
しかし、価値観が多様化している現代では、「宿題ってやらなくても良くない?」といった声が大きくなってきており、実際に宿題を廃止する学校も出てきているほど。
では、実際のところ、宿題は必要なのでしょうか?
結論:宿題は必ずしも必要ないが家庭学習は絶対に必要
あくまでこれは「オンライン家庭教師」という、成績アップを依頼される立場の人間の意見ですが、
「宿題は必ずしも必要ではないが家庭学習は絶対に必要」
というのが結論です。
したがって、宿題をやらなくても「学校の先生に怒られる」「通知表の評価が悪くなる可能性がある」といったリスクはありますが、「成績アップ」という観点から見ると「家庭学習をやっていれば」という前提付きで問題ないと言えます。
宿題の意味は「家庭学習を促すため」
そもそも、宿題の意味は「家庭学習を促すため」です。学校の先生が「家庭学習やってきてね」と言ったとしても、生徒からすれば、「なにをやればいいの?」と迷ってしまうでしょう。
そんな時、宿題があれば「家庭学習のきっかけ」になるので、多くの学校、先生が宿題を出している、というのが宿題の発祥であるはずです。
しかし、中には以下のような困った宿題を出してくる学校、先生もいます。
- やっても意味がない(予習、復習につながらない)
- 量が多すぎる
- ストレスがたまる(時間を浪費させるだけ)
現場で働いていて目にする実際の例としては、あまりにも量が多かったり、同じ漢字、単語を10回も20回も書かせたりと、まるで「子どもに負荷をかけるため」の宿題があげられます。
このような宿題は、百害あって一利なし。繰り返しになりますが、宿題とは「家庭学習を促すため」にあるものなので、その意味、意義、目的がズレてしまってはいけません。
なぜ、家庭学習が必要なのか
では、そもそもなぜ、家庭学習が必要なのでしょうか?そこには「記憶」が関係しています。
「人間は忘れる生き物である」という有名な言葉があるように、人間の記憶は実に曖昧です。一度勉強しただけでは覚えられない、記憶できないのが普通なので、反復練習をして記憶を定着させる必要があります。
しかし、学校の授業は「定着できているか」よりも、「計画通りに授業を進めること」を優先します。たった1人の子どものために、全体の授業を遅らせるわけにはいかないからです。
したがって、理解には学校は活用できますが、記憶の定着には学校はほとんど活用できません。だからこそ、家庭での学習、つまり家庭学習が必要になるのです。
記憶の定着には復習が欠かせない
では、具体的に家庭学習、つまり「復習」とは、どの程度重要性を持っているのでしょうか?
ここでは、記憶に関する有名な研究結果「エビングハウスの忘却曲線」を使って、復習の価値について考えていきます。参考として、以下のグラフをご覧ください。
こちらのグラフは、エビングハウスが行った研究結果をグラフにしたものですが、縦軸は節約率を、横軸は時間を、それぞれ示しています。
「節約率」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、これは、
「一度覚えた知識を復習して完全に思い出すために、最初に覚えた時と比べてどのくらいの時間を節約できたのかを表す割合のこと」
です。例として、「20分後」を見てみると、節約率は58%を示しています。これはつまり、何かを覚えた時から20分後に復習をすれば、最初の58%の時間を節約できる、言い換えれば「最初にかかった時間の42%の時間で復習できる」ことを示しています。
そして、1時間後には節約率は44%まで減少し、1日、2日、と経過していくうちに、節約率は34%、27%と下がっていきます。その後、6日後には25%に、最終的に1カ月後には21%まで減少し、この時点では「79%の時間が復習に必要」になるので、ほとんど「覚え直し」です。
したがって、「復習は早ければ早いほど短時間で終わる」ので、コツコツと家庭学習で予習、復習を行うことが大切であることが「効率的な記憶の定着」、ひいては成績向上につながるとわかります。
宿題と家庭学習の違いは「強制力」
さて、ここまでのお話では、家庭学習の重要性について扱ってきましたが、これがどのように宿題に関わってくるのかを説明する必要があります。
結論から言えば、宿題の一番の目的は「強制力」です。
先述のように、記憶の定着には早いうちに、コツコツと学習をする必要がありますが、子どもに対して「家で勉強してきてね」と言っても、まず間違いなく何もやりません。
だからこそ、宿題という形で「やってこないとダメだよ」という強制力をもたらし、子どもたちに記憶の定着を促すのです。
このように「子どもに対して強制する」ことの是非はここでは論じませんが、全ての子どもが自発的に学習するとは限らないため、ある程度の強制力は必要だと個人的には考えています。だからこそ、オンライン家庭教師として働く中でも、宿題は必ず出しています。
しかし、このような「宿題の本質」から外れ、「子どもにとって苦行でしかない宿題」を出す学校や先生、講師が存在するのもまた事実です。
「宿題代行」の登場は「宿題を出す側」にも問題がある
宿題の意味や意義、目的がズレてしまうと、子どもにとってそれは苦行となり、保護者にとっては「やらなくて良いもの」として受け取られます。
こういったことが背景にあり、最近は「宿題代行」というサービスが登場するほどになりました。
教育業界に携わる人間として、「宿題代行」のようなサービスが存在し、それを利用する方がいることは少し悲しい気持ちを抱きますが、一方で「仕方ない」という気持ちにもなります。
宿題代行が話題になるのは「夏休みの宿題」ですが、夏休みの宿題は、指導者目線でも「かわいそうだな」と思うことが少なくありません。
- 同じ漢字や英単語を延々と書かされる
- 簡単な計算問題を延々と解かされる
- 量が多すぎて休みにならない
具体的にはこのようなものですが、学校側で「夏休みは宿題を出さなければいけない」という指示が出されているとしか思えないほど、意味、意義、目的が理解できない宿題が出されていることがあります。
「宿題を出すのが当たり前」という意識が本来の意味、意義、目的を考えることを放棄させているので、「別にやる必要ない」と生徒側、保護者側が考えるのも無理はありませんよね。
「宿題廃止」の動きが少しずつ
一方で、このような「当たり前」を見直す動きも少しずつ広がってきています。東京都の公立中学校では、2019年に宿題を廃止したことで話題になりました。
この中学校では、宿題を「わかる子にとってはただの作業」「わからない子にとっては負担が大きすぎる」と、「無駄な作業」だと断言しています。
参考:なぜ宿題は「無駄」なのか?――“当たり前”を見直した公立中学校長の挑戦 – #SHIFT
ここまで言い切ってくれると気持ちが良いですが、このような「当たり前を見直す」動きが出てくるのは良い兆候です。
しかし、このような動きは「まだ始まったばかり」であり、向こう10年は今の状態、つまり「宿題という強制力を使った学習」のままになるでしょう。
したがって、家庭学習を進める上では「宿題を効果的に使っていく」姿勢が大切です。次の章では、「宿題を使った効果的な家庭学習の方法」について解説していきます。
- 宿題は必要ないが家庭学習は絶対に必要
- 学んだことを家庭学習で早く復習することが大切
- 「宿題廃止」の動きが少しずつ広がってきている
宿題を使った効果的な家庭学習の方法
先述のように、宿題は少なくとも向こう10年はなくならず、今後学校というものが続く限り、なくならない可能性もあります。
このように、「どうせなくならない」のが宿題なので、それだったら「宿題をどう利用していくのか」を考える方が合理的です。
そこでここからは、宿題を使った効果的な家庭学習の方法を解説していきます。
その日のうちに終わらせる
宿題を家庭学習として利用する上で、最も大切なことが「その日のうちに終わらせる」ことです。
先ほど取り上げた「エビングハウスの忘却曲線」の研究結果によれば、一度覚えたことを復習するのにかかる時間は、復習するタイミングが早ければ早いほど短くなります。
逆に言えば、時間が経てば経つほど復習に時間がかかるため、「宿題にかかる時間」もどんどん増加。結果的に多くの勉強時間が必要になり、モチベーションが下がってしまうきっかけになるでしょう。
勉強をしたくないなら当日中にやった方が良い
大人たちが仕事をしたくないように、子どもたちは勉強をしたくありません。
子どもたちにとって宿題とは、大人たちにとっての「自宅でのサービス残業」のようなもので、大きなストレスを感じるきっかけになります。
職場の上司に「自宅でこの仕事を終わらせてきて。もちろん給料は出さないよ」と言われた時の心境を考えてみてください。最悪の気分ですよね。
これと全く同じ、とは言いませんが、これと似たような心境を子どもたちは宿題に対して抱いている可能性があります。つまり、子どもたちは「宿題、勉強なんかやりたくない」のが本音なのです。
だからこそ、「当日中にやった方がすぐに、楽に終わる」という事実を理解させ、出来るだけ早く、宿題に取り組ませることが何よりも大切。この考え方を指導してみてください。
わからないところは飛ばす
勉強が苦手、嫌いな子どもにとって、宿題の「わからないところ」は挫折の原因になります。
周りに先生がいないため質問ができず、かといって自分で調べることもできないため、「だから宿題なんてやりたくない」と感じてしまうのです。
したがって、この際「わからないところはすぐに飛ばして良い」とする方が結果的に宿題に対して取り組みやすくなる可能性が高まります。
「わかる」を少しずつ増やしていくことが大切
宿題のそもそもの目的は「わからないところをわかるようにする」ことではなく、「わかるところを定着させる」ことです。
周りに指導者がいない状況では「わからないところをわかるようにする」ことは難しいので、宿題でわからないところで時間を浪費する必要はありません。
基本的には、以下の流れに沿って実力を伸ばしていけば良いでしょう。
- 宿題の「わかるところ」だけに集中する
- 「わかるところ」が定着する
- テストの点数がアップする
- モチベーションが上がる
- 授業を積極的に受けるようになる
- 「わかるところ」が増えていく
宿題の「わかるところ」にだけ集中し定着することで、何かしらの結果が必ず出ます。結果が出ると努力が報われ「もっと頑張りたい」とモチベーションが向上し、授業により積極的に取り組むようになります。
最終的に「わかるところ」がどんどん増えていき、宿題をスムーズにこなせるようになり、あとはこの繰り返しです。
家庭教師の授業で扱ってもらう
「その日のうちに終わらせる」「わからないところは飛ばす」という2つの方法を実践できれば良いですが、中には以下のようなお悩みを抱えているご家庭もあると思います。
- 何度言っても宿題をやってくれない
- 部活などで忙しそうなので宿題について強く言えない
- わからないところが多すぎて宿題が手に付かない
このような場合は、家庭単位での対応では限界があるため、家庭教師などの教育サービスを利用することが好ましいです。
宿題を授業で扱ってもらうメリットは計り知れない
家庭教師の授業は基本的には「自由」なので、塾のように塾用の教材を購入して、塾が指定する授業内容を受ける必要はありません。
「宿題のサポートをして欲しい」と伝えることで、宿題でわからないところの解決はもちろんのこと、「宿題に向き合う姿勢」など勉強以外の部分についても指導をしてもらえます。
このような宿題のサポートを受けることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 宿題が確実に終わり定着につながる
- わからないところがわかるようになる
- 通知表の「関心、意欲、態度」が改善する
宿題が確実に終わるようになり、わかることの定着だけでなく「わからないところがわかるようになる」のは大きいですよね。また、宿題は通知表の評価にも関わっているため、成績アップが望めるのもメリットの1つ。
したがって、家庭単位での対応に限界を感じているなら、要望に応じて授業を組み立てられる「家庭教師」を利用してみましょう。
オンライン家庭教師「まなぶてらす」は家庭学習を徹底サポート
サービス名 | まなぶてらす |
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運営企業 | 株式会社ドリームエデュケーション |
サービス開始 | 2016年5月 |
授業時間 | 50分 |
授業料 | 1,600円〜 |
そこでご提案したいのが、オンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」です。
私たち「まなぶてらす」は、オンライン教育が普及する以前の2016年からサービスを開始している「オンライン家庭教師の老舗」で、過去に日本マーケティングリサーチ機構による調査で「保護者が選ぶオンライン家庭教師No.1」に輝いたこともあります。
そんな「まなぶてらす」の強みは以下の通りです。
- パソコンやタブレットがあれば今日から始められる
- 月謝制ではなく都度予約制で必要な時だけ利用可能
- 予約、キャンセルは3時間前まで可能
- 採用率3割程度の質の高い自慢の先生たち
- ミスマッチを防ぐ先生検索機能を用意
- ZOOMを使ったオンライン自習室を完備
- お試しできる「初回無料体験レッスン」を多くの先生が実施
このように、数々の強みを持っていますが、宿題のような「家庭学習に関するお悩み」を持っているお客さまには、「Home School+」という「家庭学習特化型」のサービスをおすすめしたいです。
「Home School+」は業界でも珍しい家庭学習特化型サービス
「Home School+」の概要 | |
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サービス内容 | ・1回15分程度の定期ミーティングでサポート ・学習方法や習熟度のチェックも必要に応じて実施 |
プラン料金 | ・ミーティング回数で変動 ・選べる3つのプランで家計の負担になりにくい |
講師 | ・サポートに特化した「専任講師」を配置 ・相性が良さそうな講師をプロフィールから選択可能 |
「Home School+」は2022年の12月5日にスタートした、業界でも「非常に挑戦的」なサービスです。
サービス内容は「家庭学習のサポート」に特化し、「わからないところを指導する」ような通常の授業、レッスンは行いません(通常のレッスン料金を支払えば利用可能)。
では何をするのかというと、以下の3つを提供します。
- 定期ミーティング
- 学習方法のチェック
- 学習内容と習熟度のチェック
いずれも「家庭学習の継続、サポート」に必要不可欠なものですが、従来型の授業では、どうしても「わからないところを教える」ということばかりに時間を取られてしまい、肝心の家庭学習のサポートができないというジレンマがありました。
「Home School+」では、このジレンマを解消するために、「家庭学習のサポート」に特化して、子ども、そして保護者の双方が不安や悩みを持つことない「快適な家庭学習」を可能にします。
もちろん、「学校の宿題の取り組み方」なども徹底的にサポートするので、ご安心いただいて問題ありません。
詳しくは、以下の記事で「Home School+」をわかりやすく解説しているので、気になった方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
宿題と家庭学習は切っても切れない関係にあるものですが、理想を言えば、宿題を出すことなく全ての子どもたちが家庭学習を行って欲しいものです。
しかし、現実はそう甘くなく、宿題を出さなければ家庭学習を行わない子が多いため、今後も宿題はなくなることはないでしょう。
したがって、宿題が必要か不要か、という点よりも「宿題をどう活用していくのか」を考えた方が合理的。記事で紹介した方法を参考にしながら、時に家庭教師のような家庭学習をサポートしてもらえる教育サービスを利用してみましょう。
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