こんにちは!
ブックレビューコンテスト案内人のみなみです。
先日のブックレビューコンテスト
ご応募いただき、ありがとうございました!
実は・・・
水面下にておまけ企画として
まなぶてらすの先生方の応募も集めました!
- ひまわり先生
- たくと先生
- もたいえみ先生
- たみ先生
- そして私みなみ
どれも素晴らしいレビューです。
こちらの5点をご紹介したいと思います。
ひまわり先生のブックレビュー
ひまわり先生の講師ページ
https://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/1611
本のタイトル:時をかけるゆとり
出版社:文藝春秋 (2014/12/4)
著者名:朝井リョウ
漫才を見ているかのような読書体験、ここにあり!
「時をかけるゆとり」は小説家・朝井リョウのエッセイ集。その文章力を無駄に(?)生かしたテンポの良いやり取りが描かれている。ツッコミ・朝井リョウは、お母さんや友達など身近な人物に始まり、美容師、眼科医、黒タイツおじさん、最終的には過去の自分までも相方にしてしまう。
なんといってもこのエッセイの魅力は、ジェットコースターのように作者のテンションが変化していくところだ。センスの光る表現で冷静にその場の状況を説明したかと思えば、「どどどどどどーでもいい!!」「お前は誰なんだよおおおおおおおおおおお!!」と、心の叫び声が飛び出してくる。そんな不意打ちのツッコミが気持ちよくて、どんどん次のページをめくってしまうのだ。
読書は得意ではないけど、お笑いは好き!とにかく笑いたい!という人に、ぜひ読んでほしい1冊。小説家の心の中で繰り広げられる漫才ショー、とくとご覧あれ!
審査員コメント(いずみ先生)
はじめのつかみの一文から興味を惹かれる素敵なブックレビューでした。[①全体を要約するつかみの一文②本の概要を漫才の例えを使って分かりやすく簡潔に説明③特に魅力的だった点をツッコミの具体例と共に説明④どんな人にオススメしたいか・どんな本かのまとめ]という構成は、読者の感情の動きを考えた上で興味を惹き続けられるように作られていて、自然と引き込まれました。生徒の皆さんも、ひまわり先生の巧みな構成と例えを使った表現を、ぜひ参考にしてみてください。
たくと先生のブックレビュー
たくと先生の講師ページ
https://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/613
本のタイトル:新装版フォーチュン・クエスト(1) 世にも幸せな冒険者たち
出版社:電撃文庫
作者名:深沢美潮
スローステップで成長できる冒険ファンタジー
金メダルをとった、新しいものを作ったなど勇者にもうまくいかない時はあったはずだ。大事なのは結果をどう受け止めて頑張ったか、結果なんて後からついてくる。この物語を読むと、自然とそう思えてくる。努力することを教えたいときにもぴったりな本だ。災害で家族をなくし、生きていく手段に冒険者を選んだ女の子がいる。戦いは苦手、マッパー(地図を描く人)なのに方向オンチ。持ち前の明るさと優しさで、偶然に仲間ができる。何かに優れているというより、コンプレックスや訳ありの者ばかり。しかし、彼女達は次々とクエストをクリアしていく。敵や味方の関係なく気にかける彼女達だから、この物語は思い入れが深くなる。
冒険のあゆみは、主人公パステルの目線が教えてくれる。多感な心の動きや見た目の描写が多いのでイメージしやすく、優しい表現力も増える。ここ最近の異世界チートものとは違った感覚で、すこし古いラノベだがじっくり読んで欲しい。
審査員コメント(いずみ先生)
本の魅力とたくと先生の想いが、ひしひしと伝わってくるブックレビューでした。物語を読んだたくと先生自身の感想を起点に本の概要や魅力を伝えていく構成は、物語を通して得られる読書体験を想像しやすく、この本を読んでみたいという気持ちになりました。生徒の皆さんも、作品のメッセージやそこから自分が考えたことを中心に書いて想いや感動を強く伝えたい時には、たくと先生のブックレビューを参考にしてみてください。
もたいえみ先生のブックレビュー
講師ページ
https://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/843
本のタイトル:名探偵夢水清志郎事件ノート
出版社:講談社青い鳥文庫
作者名:はやみねかおる
「名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ」は、子ども向け本格ミステリー小説だ。ぐーたらで変人、変な洋館に住む名探偵夢水清志郎と、その近所に住む中学生の三つ子、亜衣、真衣、美衣が、不思議な事件に遭遇し、謎を解いていく。
この名探偵と三つ子、そしてその周りのユニークな登場人物たちが繰り広げる、愉快な日常の話を楽しみながらも、ミステリー小説のエッセンスである、「少しゾクっとするような瞬間」や、「読んでいるうちに謎が解けていく快感」など、非日常も体感できる。
このシリーズは、ミステリー小説にはじめて触れる方に、入門書として特にオススメ。東野圭吾、宮部みゆき、赤川次郎、江戸川乱歩など、数々の有名なミステリー小説を、図書館や本屋さんでよく見るけれど、なんだか難しそうで手が出ないなぁという方は、ぜひ一度読んでみてほしい。私がミステリー小説を読んでいるうちに、気がついたら「本の虫」になっていたのも、このシリーズがきっかけなのだから。
審査員コメント(レイ先生)
「気がついたら『本の虫』になっていたのも、このシリーズがきっかけ」という一文のインパクト。これこそ、ブックレビューで読みたい一文だといえるでしょう。過不足のなくストーリーを紹介し、魅力を丁寧に語った、王道ともいえるレビューです。全文をお手本としてほしいです。
たみ先生のブックレビュー
講師ページ
https://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/1488
本のタイトル:ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則
出版社:日本実業出版社
著者名:松永雅文
あの人には絶対勝てないと思ったことはありますか?でもなんとかして勝ちたいと思ったことは必ずあるはずです。
本のタイトルにもなっている「ランチェスター戦略」とは弱者が強者に勝つための戦略です。この戦略を使って勝利を勝ち取った人はたくさんいます。例えば過去の戦争ではアメリカ軍が、そして現代のビジネスの世界では、Panasonicの創業者「松下幸之助」も、この戦略を使ってPanasonicを大企業へと導いたそうです。
この戦略はもともと戦争で使われた戦略ですが、戦略の考え方は、ビジネスマンにも学生にも当てはめられます。自分の戦うフィールドで勝利を掴みたいと思いませんか?わたしもこの本を読んで自分を分析するチャンスをもらいました。戦略の説明がとてもわかりやすく、すぐに実践することができます。
負けず嫌いな人や、劣等感を抱いている人、自分なんて・・・って思ってしまっている人はぜひ手に取ってみてください。
審査員コメント(レイ先生)
たみ先生が実際に、「自分を分析するチャンスをもら」った本はどんな内容なのだろう・・と好奇心を刺激され、その戦略というものを具体的に知りたい!と思わせるパワーのあるレビューです。書き方だけでなく、内容とおすすめしたい人をどう対応させるのか、という点も、このレビューで学んでほしいです。
みなみ先生のブックレビュー
講師ページ
https://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/227
本のタイトル:ご近所物語
出版社:集英社
作者名:矢沢あい
連載当時小学生だった私に、正面から読み進められるマンガではなかった。夢であるファッションデザイナーを目指し、アーティストを目指す専門の私立高校に通う主人公実果子。夢や人間関係で悩むことはあるけれど、持ち前の太陽のようなエネルギーを身に纏い、次々と乗り越えていく。
実香子の夢へ向かうまっすぐな人柄、そして高校生が織りなすとは思えないおしゃれな世界観。ごくごく普通の子どもだった当時のわたしには、あまりに眩しすぎた。大人たちの「将来の夢は何?」といった無責任な問いに、何度憂鬱になったことか。真っ直ぐ追いかけられる夢・好きなことがなかった私に、このマンガは残酷すぎるように思えた。そのために、何度も読破を断念したか、分からない。
あれから20年。実はつい先日、このマンガを読み終えた。なんだ。「夢がもてなかった」当時のわたしを、ちゃんと救ってくれるシーンがあったではないか。最後まで読めばわかる。未来が見えずモヤモヤするあなたにこそ、ぜひ読んで欲しい。
審査員コメント(こみや先生)
「正面から読み進められるマンガではなかった」というインパクトのある書き出しが〈みなみ先生ワールド〉に読み手を引き込みます。20年の時を経たからこそ感じられる本の魅力を巧みに凝縮した作品でした。厳選された言葉で丁寧、かつ素直に自身の気持ちを綴ることによって生み出される言葉の威力。自分にしか書けない文を目指している方はぜひ、お手本にしてみてください。
さいごに
今回の先生部門では
- エッセイ
- ミステリー小説
- ライトノベル
- ビジネス本
- マンガ
など、
みごとにいろんな種類の
作品が集まりましたね(°_°)
お手本にしてほしいレビューばかりでした!
伝えることのプロともいえるだろう
先生どおしでも
伝え方や作品に対する視点に
個性がでて、面白いです(^^)
ぜひ来年も
よろしくお願いいたします(^人^)
ブックレビューコンテスト 運営チーム・案内人
みなみ