現役珠算講師としてそろばん指導をしていると、初めて習う方の中で、そろばんの引き算のやり方がどのようなものかイメージできないといった声を聴くことがあります。
そろばんの引き算は、次の3ステップで段階を踏んで勉強することで、しっかりと頭の中に定着するでしょう。
- シンプルな引き算
- 五珠を使った引き算
- 繰り下がりの引き算
この記事では、3ステップでそろばんの引き算のやり方をわかりやすく解説するほか、応用でマイナス計算の方法も紹介します。
ぜひそろばんの引き算のやり方がどのようなものかを知って、そろばん学習を始めるときの参考にしてみてください。
私たち「まなぶてらす」は2016年からオンライン習い事サービスを提供しています。専門的な知識と経験に基づいて、勉強に関する情報をわかりやすく解説します!
ステップ1:シンプルな引き算のやり方を解説
そろばんをするときの姿勢や珠の基本的な置き方は、そろばんのたし算のやり方の記事をご参考ください。
※足し算のURL貼る
ステップ1では、シンプルな引き算のやり方を解説します。
たとえば、「8-3」の計算方法は次のとおりです。
そろばんに、親指と人差し指を同時に使って8を足します。
次に、人差し指で3を引きます。
よって、答えは5です。
一珠を引くときは人差し指でします。
ちなみに、一珠を足すときは親指でしたよね。
基本的な指づかいが身についていないことで、そろばんを置く際に指がこんがらがってスムーズに珠を動かせないといった子が経験上多いです。
上級や段になれば速く置くために指づかいを気にしなくなりますが、そこまで辿り着くまでには基本をしっかり押さえておきましょう。
ステップ2:五珠を使った引き算のやり方を解説
ステップ2では、五珠を使った引き算のやり方を解説します。
たとえば、「5-4」の計算方法は次のとおりです。
そろばんに人差し指を使って5を足します。
次に4を引こうとしますが、五珠しか置かれていないのでどうするか迷うでしょう。
このようなときは、「五の部屋がある」と考え、五珠を使って引いてください。
頭の中で「5-4=1」を計算し、そろばんを1の形にしましょう。
まだ小さいお子さんなどで、頭の中ですぐに計算するのが難しいときは、指を使って計算しても構いません。
また、五珠を使った引き算のやり方の順番は、下からすると覚えておきましょう。
よって、答えは1です。
「五の部屋がある」が注目ポイントです。
引けないわけではないので、五珠を使えるか確認することも頭に入れておきましょう。
「五の部屋がある」という考え方を覚えておくことで、次に出てくる繰り下がりの引き算でもつまずくことなく学習できます。
ステップ3:繰り下がりの引き算のやり方を解説
ステップ3では、「10-9」や「12-7」のような繰り下がりの引き算のやり方を紹介します。
繰り下がりの引き算をするには「友だちの数」を覚えておく必要があります。
友だちの数とは合わせて10になるペアの数のことです。
たとえば、1と友だちの数は9、2と友だちの数は8になります。
繰り下がりの引き算ができるようになるためには、以下を覚えておくと良いです。
- 1引けないときは、10を引いてから9を足す
- 2引けないときは、10を引いてから8を足す
- 3引けないときは、10を引いてから7を足す
- 4引けないときは、10を引いてから6を足す
- 5引けないときは、10を引いてから5を足す
- 6引けないときは、10を引いてから4を足す
- 7引けないときは、10を引いてから3を足す
- 8引けないときは、10を引いてから2を足す
- 9引けないときは、10を引いてから1を足す
足し算の繰り上がりのときと同じで、何度も声に出して読むことで瞬時に思い出せるようになります。
基本的な繰り下がりの練習問題①:10-9
基本的な繰り下がりの引き算の練習問題を解いてみましょう。
十の位に親指で1を足します。
次に、一の位から9を引こうとしますが、9引けません。
引けないときは、友だちの数の出番です。
と声に出して読み、そのとおりにそろばんの珠を動かしてみましょう。
よって、答えは1です。
五珠を使った繰り下がりの練習問題②:12-7
次に、五珠を使った繰り下がりの引き算の練習問題を解いてみましょう。
十の位に親指で1を足し、一の位に親指で2を足します。
次に、一の位から7を引こうとしますが、7引けません。
引けないときは、友だちの数の出番です。
と声に出して読み、そのとおりにそろばんの珠を動かしてみましょう。
3を足すときに一珠がすでに2個あるのでどうするか迷うかもしれませんが、五の部屋が空いていると考え、五珠を使って足してください。
頭の中で「2+3=5」を計算し、そろばんを5の形にしましょう。
よって、答えは5です。
間違えやすい繰り下がりの練習問題③:103-6
次に、間違える方が非常に多い繰り下がりの引き算の練習問題です。
百の位に親指で1を足し、一の位に親指で3を足します。
次に、一の位から6を引こうとしますが、6引けません。
引けないときは、友だちの数の出番です。
と声に出して読み、そのとおりにそろばんの珠を動かしてみましょう。
しかし、十の位には何も置かれておらず0の状態なので、10引けません。
このようなときは、百の位に1が置かれていて100はあるので、100から10を引きます。
100から10を引くと90です。
つまり、以下のように考えます。
よって、答えは97です。
上記の問題ですが、「10を引いてから4を足す」が百の位も使うとなぜか10を2回引いて4を足してしまい、答えが87になるという間違いが経験上多いです。
100-10=90をしたら、これ以上10を引かないように気をつけましょう。
【応用】マイナス計算のやり方を理解しよう
応用になりますが、そろばんの引き算のマイナス計算のやり方もぜひ確認してみてください。
ちなみに、マイナス計算は珠算2級になって初めて問題に出題されます。
マイナス計算は別名で補数計算とも呼び、そろばんにある珠をそのまま読んで答えを記入するのではなく、そろばん上の珠から補数を読み取る必要があります。
詳しいやり方は文章だとわかりづらいので、以下で画像を見ながら理解していきましょう。
2桁のマイナスになる引き算の例題①38-82
そろばんに38を足した後、十の位から8を引こうとしても引けません。
このようなときは、引けるように百の位に1を足しましょう。
あとは、今までと同じやり方で引き算をしていきます。
と声に出して読み、そのとおりにそろばんの珠を動かしてみましょう。
頭の中で「3+2=5」を計算し、そろばんの十の位を5の形にします。
そろばんの一の位は8ー2=6です。
よって、答えを56にしたいところですが、ストップしてください。
百の位に1を足したので、「100を借りてきた」ことを思い出しましょう。
借りてきたものは返さなくてはなりません。
やり方ですが、そろばん上の56の「一の位以外は9になる補数」「一の位は10になる補数」を考えます。
したがって、十の位は4です。
一の位を10にする補数は、友だちの数を考えると4ですね。
よって、答えは-44です。
3桁のマイナスになる引き算の例題②594-704
3桁のマイナス計算も、引けるように千の位に1を足しましょう。
千の位に1を足したので、「1000を借りてきた」ことを思い出してください。
借りてきたものは返さなくてはなりません。
今までと同じやり方で引き算をすると、そろばん上は890になりました。
通常、「一の位以外は9になる補数」「一の位は10になる補数」を考えますが、今回のように一の位が0になるときは、「隣の十の位を10になる補数」で出してください。
したがって、百の位は1、十の位は1です。
一の位はそのまま0で問題ありません。
よって、答えは-110です。
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そろばんの引き算のやり方に関するよくある質問
そろばんの引き算のやり方に関するよくある質問を紹介します。
Q1.そろばんの引き算は、いつからできるようになりますか?
そろばんの引き算は足し算の勉強とセットで始めるので、習い始めてからすぐに学習できます。
最初は一の位の簡単な引き算からスタートし、徐々に十の位や百の位も使って引き算ができるようになっていきます。
Q2.そろばんは引き算のほかに、どのような計算方法がありますか?
そろばんの引き算のやり方は、解説したとおり足し算も使いました。
引き算や足し算のほかには、かけ算や割り算もそろばんで計算できます。
そろばんのかけ算と割り算のやり方に興味のある方は、以下の記事も合わせてご参考ください。
Q3.そろばんのマイナス計算はどのような問題ですか?
そろばんのマイナス計算の問題は、上級である珠算2級で初めて出題されるので、桁数が多いです。
以下のような8桁揃い10口の問題が、珠算2級のマイナス計算にあたります。
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また、応用でマイナス計算も紹介しましたが、そろばんならではの計算方法で面白いと興味を持った方も多いのではないでしょうか。
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