そろばん講師として現場で指導を行なっていると、保護者様や生徒から割り算が苦手だという声をよく聞きます。
ほかの種目に比べて習得が難しかったり時間がかかったりと悩む生徒が多いようです。
そこで、オンライン習い事サービス「まなぶてらす」の現役珠算講師が、そろばん初心者の方でもわかるように「そろばんの割り算のやり方」を徹底解説します。
この記事でそろばんの割り算のやり方を確認して、ぜひ割り算を得意な種目にしてくださいね。
私たち「まなぶてらす」は2016年からオンライン習い事サービスを提供しています。専門的な知識と経験に基づいて、勉強に関する情報をわかりやすく解説します!
そろばんの割り算の基本的なやり方を解説
そろばんの割り算の基本的なやり方を解説する前に、そろばんの種目や級について簡単に説明します。
そろばんの種目には、一般的に以下の3種目があります。
- 見取算
- かけ算
- 割り算
そろばんの「割り算」をいつから学べるようになるかは、以下の種目や級の比較表をご参考ください。
見取算 | かけ算 | 割り算 | |
珠算10級 | ◯ | × | × |
珠算9級 | ◯ | ◯ | × |
珠算8級 | ◯ | ◯ | ◯ |
上記のように、珠算8級から初めて「割り算」の勉強が始まります。
そろばんの割り算のやり方を学ぶにあたって、最初に「そろばんの数の読み方」と「そろばんの位」を確認しておきましょう。
それでは、そろばん初心者でもわかるように、次の珠算の級のレベル順で割り算のやり方を解説していくので、ぜひ参考にしてください。
珠算8級レベル | 2桁÷1桁のやり方 |
---|---|
珠算7級レベル | 3桁÷1桁のやり方 |
珠算6級レベル | 3桁÷2桁のやり方 |
【珠算8級レベル】2桁÷1桁のやり方
2桁÷1桁の計算は、珠算8級相当です。
では、例題で「70÷2」のやり方を解説します。
「70÷2」の70だけそろばんに置きましょう。
次に、そろばんの頭の数「7」と問題の割る数「2」を見ます。
「7」の中に「2」は「3」あります。
そろばんの頭の数「7」の二つ隣に「3」を置きましょう。
そろばんに置いた「3」と問題の割る数「2」をかけてください。
3×2=「6」を引きます。
次に、そろばんの頭の数「1」と問題の割る数「2」を見てください。
「1」の中に「2」は無いです。
無いときはそろばんの頭の数「1」の右隣に目線をずらし「10」と考えましょう。
「10」の中に「2」は「5」あります。
「10」の二つ隣に「5」を置きましょう。
そろばんに置いた「5」と問題の割る数「2」をかけてください。
5×2=「10」を引きます。
よって「70÷2」の答えは35となります。
【珠算7級レベル】3桁÷1桁のやり方
3桁÷1桁の計算は、珠算7級相当です。
では、例題で「520÷5」のやり方を解説します。
「520÷5」の520だけそろばんに置きましょう。
次に、そろばんの頭の数「5」と問題の割る数「5」を見ます。
「5」の中に「5」は「1」あります。
そろばんの頭の数「5」の二つ隣に「1」を置きましょう。
そろばんに置いた「1」と問題の割る数「5」をかけてください。
1×5=「5」を引きます。
次に、そろばんの頭の数「2」と問題の割る数「5」を見てください。
「2」の中に「5」は無いです。
無いときはそろばんの頭の数「2」の右隣に目線をずらし「20」と考えましょう。
「20」の中に「5」は「4」あります。
「20」の二つ隣に「4」を置きましょう。
そろばんに置いた「4」と問題の割る数「5」をかけてください。
4×5=「20」を引きます。
よって「520÷5」の答えは104となります。
【珠算6級レベル】3桁÷2桁のやり方
3桁÷2桁の計算は、珠算6級相当です。
では、例題で「928÷58」のやり方を解説します。
928と置いて、そろばんの頭の数「9」と問題の割る数「5」を見ます。
「9」の中に「5」は「1」あります。
そろばんの頭の数「9」の二つ隣に「1」を置きましょう。
そろばんに置いた「1」と問題の割る数「5」をかけてください。
1×5=「5」を引きます。
「5」を引いたところに指を押さえておきましょう。
次に、そろばんに置いた「1」と問題の割る数「8」をかけてください。
1×8いんはち「が」はちと九九に「が」という言葉がついたら、指を押さえている隣から答えを引きます。
しかし、2が置かれていて引けません。
引けないときは「おともだちのかず」を思い出しましょう。
8と「おともだちのかず」は2です。
8引けないときは、10を引いておともだちのかず2を足します。
次に、そろばんの頭の数「3」と問題の割る数「5」を見てください。
「3」の中に「5」は無いです。
無いときはそろばんの頭の数「3」の右隣に目線をずらし「34」と考えましょう。
「34」の中に「5」は「6」あります。
「34」の二つ隣に「6」を置きましょう。
そろばんに置いた「6」と問題の割る数「5」をかけてください。
6×5=「30」を引きます。
「30」を引いたところに指を押さえておきましょう。
次に、そろばんに置いた「6」と問題の割る数「8」をかけてください。
6×8=「48」を引きます。
よって「928÷58」の答えは16となります。
「還元」でつまずく子が多い割り算の6級をさらに練習しよう
先ほど解説した珠算6級レベルの割り算のやり方とは別に、「還元(かんげん)」を使った解き方も紹介します。
珠算6級になると「還元」という割り算の新しい計算方法も出てくるので、つまずく子が多いところです。
「還元」は言葉の説明だと難しいので、次の2つの例題を見てみましょう。
珠算6級合格に必要な「還元」の練習問題①
珠算6級合格に必要な「還元」の1パターン目の問題です。
では、例題で「960÷15」のやり方を解説します。
そろばんに960を置き、9×1=9を引いて指を押さえるところまでは、今までと同じやり方です。
次に、指を押さえているところから9×5=45を引こうとしても引けませんよね。
そこで、「還元」の登場です。
そろばんに置いてある答え「9」から1を引き、9×5=45と割る数の5で引けなくなったので手前の「1」を指押さえしているところに戻します。
「還元」したらもう一度九九を読み直しましょう。
8×5=40でまだ引けないので、再び「還元」をします。
そろばんに置いてある答え「8」から1を引き、8×5=40と割る数の5で引けなくなったので手前の「1」を指押さえしているところに戻します。
「還元」したらもう一度九九を読み直しましょう。
7×5=35でまだ引けないので、再び「還元」をします。
そろばんに置いてある答え「7」から1を引き、7×5=35と割る数の5で引けなくなったので手前の「1」を指押さえしているところに戻します。
「還元」したらもう一度九九を読み直しましょう。
6×5=30で引けるようになったので、「30」を引いてください。
次も、6×1=6を引いて指を押さえるところまでは、今までと同じやり方です。
しかし、指を押さえているところから6×5=30を引こうとしても引けませんよね。
そこで、「還元」の登場です。
そろばんに置いてある答え「6」から1を引き、6×5=30と割る数の5で引けなくなったので手前の「1」を指押さえしているところに戻します。
「還元」したらもう一度九九を読み直しましょう。
5×5=25でまだ引けないので、引けるようになるまで「還元」を繰り返します。
4×5=20で引けるようになったので、「20」を引いてください。
よって「960÷15」の答えは64となります。
【9立商】珠算6級合格に必要な「還元」の練習問題②
続いて、珠算6級合格に必要な「還元」の2パターン目の問題です。
「9立商」とはいったい何のことか、知らないと間違えるところなので覚えておきましょう。
では、例題で「703÷19」のやり方を解説します。
そろばんに703を置き、7×1=7の次の7×9=63で引けなくなりますが、「還元」をして3×9=27で引けました。
次にそろばんの頭の数「1」と問題の割る数「1」を見ます。
「1」の中に「1」は「1」あるので、そろばんの頭の数「1」の二つ隣に「1」を置きたいところですがストップしてください!!
そろばんの頭の数「1」と問題の頭の割る数「1」のように頭の数が同じで、割る数が一桁でないときは、隣の数も確認します。
つまり、そろばんの数は「13」で問題の数は「19」です。
そろばんの数の方が問題の数よりも小さいときは「9立商」を使います。
「9立商」は、そろばんの頭の数「1」のすぐ隣に「9」を置けば良いだけです。
「9立商」の後は今までと同じやり方で計算できます。
よって「703÷19」の答えは37となります。
ここまで、そろばんの割り算のやり方について詳しく解説してきましたが、答えを出すのに時間がかかったり間違いが多かったりで点数が取れないといった方も多いでしょう。
そこで、そろばんの割り算を速くする方法についても次で紹介します。
そろばんの割り算を速くする方法4選
そろばんの割り算を速くする方法は、ずばり次の4つです。
- 九九を覚えてそろばんの商を速く出せるようにする
- 引き算に気をつける
- わからない問題は飛ばす
- 上級や段位になれば簡単な問題を見極める
そろばんの割り算を速くする方法をチェックして、ぜひ割り算マスターを目指してください。
1:九九を覚えてそろばんの商を速く出せるようにする
そろばんの商を速く出せるようにすると、割り算に時間がかからなくなります。
たとえば、「70÷2」であれば、最初にする計算は7÷2で商は3でした。
そろばんの商を速く出すには、九九を覚えられているかどうかが重要です。
このように、九九を最初から数えていたらそろばんの商を出すのに時間がかかります。
7÷2はにさんがろくで商は3というように、九九を瞬間的に引き出せる力が必要です。
2:引き算に気をつける
そろばんの割り算のやり方には、引き算ができているかどうかが重要です。
引き算のやり方が曖昧だと、答えを出すのに時間がかかるほか、ミスにもつながります。
正しく引き算ができているかどうかは、専門的な指導者に見てもらいましょう。
3:わからない問題は飛ばす
検定試験のときにわからない問題が出てきたら、飛ばして次の問題に進みましょう。
わからない問題で立ち止まってしまうと、制限時間に間に合わず点数が取れなくなる恐れがあります。
検定試験は自力で問題を解かなければならないので、思い切ってわからない問題は飛ばし、時間が余れば戻って解き直してみましょう。
4:上級や段になれば簡単な問題を見極める
レベルアップした話になりますが、上級や段になれば簡単な問題を見極めて解くのが速く答えを出すコツです。
たとえば、以下の珠算3級レベルの問題ではどちらが速く答えを出せるかわかるでしょうか。
- 53,580÷61.2=
- ¥53,580÷61.2=
一見すると同じ問題に見えますが、速く答えをだせるのは2番の¥マークがついた問題の方です。
53,580÷61.2を計算すると、875.490196…のように答えが続きます。
1番の答えの書き方は、小数第4位を四捨五入して小数第3位までにした875.49(0)です。
問題に¥マークがついた2番の答えの書き方は、小数第1位を四捨五入して整数にした875です。
このように、¥マークが問題についていれば、小数第1位まで計算できたらすぐに答えを書けます。
上級や段になってさらにそろばんの割り算を速くするには、答えをすぐに出せる問題を見極めて解くのもポイントです。
オンライン習い事「まなぶてらす」のそろばんの先生を紹介!
サービス名 | まなぶてらす |
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運営企業 | 株式会社ドリームエデュケーション |
サービス開始 | 2016年5月 |
授業時間 | 50分 |
授業料 | 1,760円/50分〜 |
※授業料は1ポイント1.1円のポイント制で、講師によって必要ポイント数が異なる
私たち「まなぶてらす」は、オンライン教育が普及する以前の2016年から、オンライン習い事サービスを提供しています。
当記事も、「まなぶてらす」に在籍するそろばん講師が執筆しており、過去に「そろばん問題集」を出版した実績もあります。
ここでは、そんな「まなぶてらす」に在籍する、おすすめのそろばん講師を紹介していきます。
くらもと先生:明るい笑顔でやさしく指導する先生
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- 集団塾教室長として500人以上の指導実績あり
- 全国大会優勝者を輩出したこともある指導スキルが魅力
まおこ先生:10段保有の凄腕すぎる先生
- 他を寄せ付けない圧倒的なそろばんスキルで指導
- 10段保有、全国大会優勝経験あり
- 落ち着いた口調による的確な指導が魅力
きよみ先生:講師歴15年を超えるベテラン先生
- 講師歴16年目のベテランそろばん先生
- 200人を超える生徒を指導
- 競技大会の大会問題作成や読み上げ算委員の経験あり
そろばんの割り算のやり方に関するよくある質問
そろばんの割り算のやり方に関するよくある質問を紹介します。
Q1.そろばんの割り算で「両落とし」というやり方があると聞いたのですが、どのようなものですか?
「両落とし」は簡単に説明すると、そろばんに問題を置かずに解くやり方のことです。
そろばんの割り算で「両落とし」というやり方はありますが、難しいことからあまり使われていません。
オンライン習い事サービス「まなぶてらす」では、割り算は問題を片方だけ置く「片落とし」で指導しています。
ただ、そろばんのかけ算は「両落とし」で指導しているので、詳しく知りたい方は以下の記事を合わせてご参考ください。
Q2.そろばんの割り算のやり方は、習い始めてからどれくらいで教えてもらえるのですか?
そろばんの割り算は、珠算8級の練習に入ると学べます。
お子さんの習う頻度や性格などにもよりますが、習い始めてから2カ月〜1年で珠算8級の練習に入ることが多いです。
Q3.そろばんの割り算のやり方で小数点が出てくるのは何級からですか?
そろばんの割り算のやり方で小数点が出てくるのは、珠算3級からです。
珠算3級になると初めて小数点が出てくるので難しそうだと感じる子も多いですが、珠算4級までに基礎がしっかりとできていれば、問題なくできるようになります。
そろばんの割り算の指導なら「まなぶてらす」におまかせください
初心者でもわかるように、そろばんの割り算のやり方を解説しました。
珠算6級の還元のやり方まで紹介しましたが、珠算5級になれば大還元、珠算4級になれば確商、珠算3級になれば小数点のように、さらにレベルアップしたやり方を学んでいきます。
オンライン習い事サービス「まなぶてらす」では難しいレベルになってもわかりやすく教えられる先生がそろっているので、安心してレッスンを受けていただけます。
割り算が苦手な方やそろばんに興味のある方は、私たち「まなぶてらす」のそろばんの先生をご覧いただくか、「お問い合わせ」にてご相談いただけますと幸いです。