科学の世界では、「偶然見つけちゃった!」という発見は多いものです。
この偶然的発見を「セレンディピティ―」(serendipity)といいます。
イギリスの医師アレクサンダー・フレミングが青かびから抗生物質のペニシリンを発見したことは、セレンディピティ―の有名な例です。
子どもは見たものを見たまま感じ、表現します。
わからないものは、わからない。
「どうして?」と大人に問いかけます。
私たち大人は、「それは、そういうもの」という常識が邪魔をして、子どもの「どうして?」という質問を活かすことが十分にできていません。
「なんでだろう?」と思うことは、身の回りにたくさんあります。
四角いシャボン玉はできないの?
ハチの巣は、なぜ六角形の穴が集まっているの?
虫歯は、どうしてできるの?
このような子どものつぶやきを逃さずにキャッチして、「どうしてなんだろうね。」とお母さんやお父さんが一緒に考えてあげることが大切です。
子どもが不思議に思うことを親がしっかり受け止めることで、「どうしてなんだろう?」と常に考える力が身につきます。
目の前に大発見があったとしても、「あれ?」と思う習慣や知識、観察力が身についていないとセレンディピティ―を見逃してしまいます。
研究は、現在解っている事柄から仮説を立て、結果を予想して実験をします。
予想通りの結果が得られることは多くはありません。
生命現象をはじめ、科学の世界は複雑にいろいろなことが絡み合って成り立っています。
私たち人間が考えつくようなことでは、説明できないことばかりです。
ですから、予想通りの結果が得られなかったからといって、失敗ではないのです。
どうして予想通りの結果ではなかったのか?を考えて、また仮説を立てます。
そして、また予想して実験をします。
この繰り返しの中で、少しずつ未知の現象が解明できたり、セレンディピティ―に遭遇したりするのです。
子どもたちは、すでに結果がわかっている実験をすることが多いので、自分の結果が教科書と違うと失敗したと思ってしまいます。
まず、実験をするときには自分で結果を予想することが大切です。
そうすると予想通りにならなかったときに、「あれ?なんでだろう?」と必ず考えます。
まなぶてらすの理科実験では、そのような知的好奇心が育つようにレッスンしています。
結果は、実験してみないとわからない。
先生である私でも実験結果が予想通りではないこともあります。
そんなときは、生徒さんと二人で大興奮です。「なんで、こんな結果になったんだ?」と一緒に考えます。
まなぶてらすのレッスンを通して、子どもたちの「セレンディピティ―を見逃さない眼」を育てたいと思っています。