全国にはさまざまなそろばんの連盟や協会がありますが、いまいち違いやどれが良いのかの判断ができず、なんとなくで勧められたそろばんの検定試験を受けている方はいませんか?
実のところ、古くから作られた歴史のある連盟が携わっているものからここ数年で立ち上げられた新しい連盟によるものまで、そろばんの検定試験にはさまざまな種類があります。
結論ですが、以下の2種類の連盟が特に知名度が高く、そろばんの検定試験を受けるならこれだといわれているものとなります。
- 一般社団法人 日本珠算連盟(日珠連)
- 公益社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連)
この記事では、日本珠算連盟と全国珠算教育連盟の試験内容や難易度などの違いを現役珠算講師がわかりやすく紐解いていきます。
読むことで、両者の違いやどれを受験すれば良いかが明確にわかるようになり、そろばんの検定試験への不安が払拭されるでしょう。

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代表的なそろばんの検定試験は2種類

冒頭でも触れたように、そろばんには多くの連盟や協会による検定試験がありますが、もっとも名高いものとして以下の2種類があげられます。
- 一般社団法人 日本珠算連盟(日珠連)
- 公益社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連)
日本珠算連盟は、通称日珠連(にっしゅれん)と呼ばれていて、全国珠算教育連盟は通称全珠連(ぜんしゅれん)という呼び名で広まっています。
どちらもそろばんを習うなら王道といえる連盟にあたるので、特にこれからそろばんを習おうと考えている方は、教室がどこの連盟に所属しているのかを確認して損はないでしょう。
それでは、それぞれの方針や概要などから詳しく解説していきましょう。
① 一般社団法人 日本珠算連盟(日珠連)について
日本珠算連盟(日珠連)は、商工会議所による珠算事業への協力や珠算に関する調査や研究などを目的に、昭和28年に設立されたそろばん連盟です。
そろばんをただ単に計算できる伝統道具として広めるのではなく、暗算力の強化や計算感覚の養成などとして広める活動をしています。
検定試験には、日本商工会議所(=日商)からの委託である珠算検定1級~6級から、日珠連が独自で行っている暗算や段位、フラッシュ暗算の検定もあり、規模が大きいです。
全国区の小学校でのそろばん教育にも力を入れていて、日本珠算連盟の会員や関係者がボランティアで指導活動をされています。
② 公益社団法人 全国珠算教育連盟(全珠連)について
全国珠算教育連盟(全珠連)も昭和28年に設立されました。
各地に分散していた珠算団体や指導者が一致団結して珠算教育をさらに発展させていくといった考えの元でできたのが、全珠連です。
地域の珠算教育の推進に力を入れているのが特徴的で、検定試験や研修、珠算教育の普及活動などによって才能のある人材を輩出することに力を入れています。
昭和31年には社団法人としての許可を受け、平成25年7月からは公益社団法人として活動されています。
日珠連と全珠連の試験内容・難易度・受験料を比較!

日珠連と全珠連のおおむねについて説明してきましたが、ここでは気になるであろう両者のさらに具体的な違いについて、以下の順番で比較していきましょう!
- 試験内容の比較
- 難易度の比較
- 受験料の比較
日珠連・全珠連と名前が非常に似通っているため、何が違うのか一見わかりづらいですが、比較表などを用いて理解が容易くできるように解説していきます。
各々に特色があり、違いを見比べてみると今まで知るよしもなかった発見があるはずです。
それでは、順番に日珠連と全珠連の中身における比較を覗いてみましょう。
筆者は現役の珠算講師ですが、実際にそろばんの連盟に関する質問を受けた経験があります。
「祖父母から日珠連の教室にしなさいといわれたんです」や「履歴書に書ける連盟ですか?」など、そろばんに詳しい方がご家族にいる場合や教育熱心な方からの質問が多い印象です。
実際のところ、どの珠算連盟でも履歴書に書いて問題ないですが、やはり由緒ある日珠連や全珠連の検定試験は高い知名度があります。
資格のために知名度のある検定試験を受けておきたいという考えの場合は、そろばんを習う際に前もって指導者や教室がどこの連盟に属しているのかを確認しておくのがおすすめです。
逆に、資格はなんでもよくて、暗算力を身につけたいなどの理由でそろばんを学ぶ場合には、特に連盟は気にされなくても良いでしょう。
試験内容の比較
第一に、そろばんと暗算の検定試験には「級」や「段位」といったレベルが存在するのを知っておきましょう。
級は数字が小さくなるほど上級になり、段位は数字が大きくなるほど高段になります。
中には「準3級」というように数字の前に「準」とつく級もあります。
では、まずは日珠連と全珠連の級と段位の種類について、比べてみましょう。
日本珠算連盟(日珠連) | 全国珠算教育連盟(全珠連) | |
珠算級位 | 1級〜10級(準1級〜準3級も含む) | 1級〜15級(準1級〜準6級も含む) |
珠算段位 | 準初段〜十段 | 準初段〜十段 |
暗算級位 | 1級〜10級(準1級〜準3級も含む) | 1級〜10級 |
暗算段位 | 準初段〜十段 | 準初段〜十段 |
日珠連はそろばんの級が10級から始まるのに対して、全珠連は10級よりも下の15級からの開始となり、準がつく級も準6級から準1級までと、多くの種類があることが特徴です。
次に、日珠連と全珠連における検定試験の気になる内容について比べてみましょう。
日本珠算連盟(日珠連) | 全国珠算教育連盟(全珠連) |
|
選択種目
|
日珠連の方はシンプルで、試験内容は3種類となります。
一方で、全珠連の方は日珠連の試験内容とも被る3種目以外にも選択種目があり、級と段位によっても以下のように選ぶ種目数が異なるので、注意が必要です。
準3級〜準1級:乗算・除算・見取り算の3種目に伝票算・暗算・応用計算のうち2種目を選択
段位:乗算・除算・見取り算の3種目に伝票算・暗算・応用計算・開法のうち3種目を選択
- 伝票算:紙をめくりながら行う見取り算
- 応用計算:文章題を読んで解く計算問題
- 開法:√を通常の数字に変換する計算問題
上記を見ると、全珠連の方が日珠連と比べて受けなければならない種目が多いので大変そうと感じる方が多いかもしれませんが、両者の難易度はどうなっているのでしょうか。
難易度の比較
ずばり、日珠連の方が全珠連よりも難しいとされています。
日珠連での1級取得が、全珠連での二段取得に該当するといわれています。
ただし、全珠連は先述したとおりメインの種目以外の選択種目もあるため、段位を取得するのは簡単なことではありません。
受験料の比較
受験料の更新が度々行われていますが、2025年3月1日時点での日珠連と全珠連の受験料は、以下の比較表をご覧ください。
日本珠算連盟 | 全国珠算教育連盟 | |
珠算十段〜準初段 | 3,000円 | 3,500円 |
珠算1級 | 2,800円 | 2,800円 |
珠算準1級 | 2,400円 | 2,600円 |
珠算2級 | 2,000円 | 2,100円 |
珠算準2級 | 1,900円 | 2,000円 |
珠算3級 | 1,800円 | 1,900円 |
珠算準3級 | 1,500円 | 1,800円 |
珠算4級〜(準)6級 | 1,200円 | 1,300円 |
珠算7級〜10級 | 1,000円 | 1,200円 |
珠算11級〜15級 | なし | 700円 |
暗算十段〜準初段 | 1,500円 | 1,900円 |
暗算1級〜3級 | 1,200円 | 1,200円 |
暗算4級〜6級 | 1,100円 | 1,100円 |
暗算7級〜10級 | 1,000円 | 700円 |
日珠連の段位で珠算と暗算の両方を受験する場合、受験料は3,500円です。
珠算段位と暗算段位の通常受験料を合計すると4,500円になるため、両方を受けると1,000円割引となります。
両者の受験料を見比べてみると、全体的に大きな差はありませんが、全珠連の方が日珠連と比べてやや値段が上の印象です。
珠算・暗算の検定は何歳から受験できる?申し込み方法は?

日珠連・全珠連ともに、何歳からでも受験が可能です。
商工会議所でのそろばん検定試験ですが、幼児から高齢者まで、実際にさまざまな世代の方が受験されているのを見てきました。
検定試験前も本番も、皆それぞれに練習やそろばんに打ち込んでいて、周りを気にしている余裕はないので、年齢を気にする必要はまったくありません。
そろばんは何歳からでもできるところが大きな魅力の一つです。
検定試験の申し込み方法ですが、日珠連は約2カ月前にお近くの商工会議所や連盟への確認が必要です。
商工会議所は、3級以上からの受付の所が多いので注意が必要ですが、3級未満はお通いのそろばん教室で受験できることが大半でしょう。
全珠連における検定試験は、ホームページに書かれている最寄りの支部の連絡先に問い合わせて確認するのが最適です。
そろばん教室に通っていない場合やオンラインそろばん教室などの場合、商工会議所で申請可能である日珠連の検定試験を受けると良いでしょう。
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サービス名 | まなぶてらす |
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サービス開始 | 2016年5月 |
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無料体験レッスンを提供している先生も多いので、ぜひ質の高い指導を体験してみてください。
さとっち先生:全九州珠算競技大会入賞歴アリ
- 小中高対応
- 日珠連珠算5段、暗算7段保有
- 現在は同志社大学ロースクール在籍
まゆみ先生:日本珠算教師養成講座修了済みの凄腕の先生
- 全学年対応
- 全珠連珠算8段、暗算9段保有
- 実力、経験ともに圧倒的なそろばんのプロフェッショナル
きよみ先生:講師歴15年を超えるベテラン先生
- 講師歴16年目のベテランそろばん先生
- 200人を超える生徒を指導
- 競技大会の大会問題作成や読み上げ算委員の経験アリ
そろばんの検定に関するよくある質問
そろばんの検定に関するよくある質問を紹介します。
Q1.オンラインレッスンでもそろばんの検定試験を受験できるのですか?
私たちオンライン習い事サービス「まなぶてらす」では、日本珠算連盟(日商)レベル相当のオンライン検定を実施しています。
オンライン授業中に受けられて、履歴書にも民間資格として書けます。
見事合格されると、担当の珠算講師より賞状の授与もあるので、お子さんのやる気につながるでしょう。
Q2.履歴書に資格として書くなら日珠連と全珠連のどっちが有利ですか?
一般的には、日珠連が日本商工会議所(=日商)の試験になるので、社会的な評価が高い傾向にあります。
しかし、もちろん全珠連も積み上げてきた頑張りを証明するのに最適な資格であるため、履歴書に有利であることに間違いありません。
進学などでそろばんの資格を活用されたい場合は、学校の方針などもよく確認して、どちらを受けた方が良いか検討しておきましょう。
Q3.そろばんの検定試験は受験した方が良いですか?
そろばんの検定試験は、合格すれば資格として履歴書に書けるだけでなく、積極的にチャレンジすることで上達が早くなるメリットがあります。
検定試験があることで自主的に練習する姿勢が身につくので、上達の近道にはもってこいです。
中には何度挑戦しても上手く進級・昇段出来ずに落ちこんでいる子も多く見てきました。
もちろん、一度目で合格できれば素晴らしいのはいうまでもありませんが、段位になれば特に一発で合格を勝ち取るのは非常に難しいものです。
大切なのは、たとえ失敗しても挫折せず、頑張って練習してきた自分に自信と誇りを持って継続することです。
子どもの挑戦を尊重して、大人や親が先に諦めてしまうことのないよう気をつけたいですね。

そろばん検定合格のための指導なら「まなぶてらす」におまかせください
そろばん界でも知名度の高い検定試験の種類ですが、一見するとあまり違いがないようでも、見比べると案外差があるのがわかりましたね。
オンライン習い事サービス「まなぶてらす」では、たしかな実力を持った珠算講師たちが集まっているので、どのそろばん検定の合格へもしっかり導いてくれるでしょう。
また、「まなぶてらす」では日本初の珠算・暗算のオンライン検定も行っているので、オンラインレッスンでありながらも検定受験をできるのが嬉しいポイントです。
オンラインでそろばんの授業を受けながらも検定試験を受けたい方は、「そろばんの先生」に「お問い合わせ」いただき、まずは日々のレッスンから始めていきましょう。
継続して練習することで、そろばんの検定試験合格への道のりもそう遠くはありませんよ。