こんにちは、
まなぶてらす講師です。
先週は「スーパー上級の英語勉強法」について書きました。今週は英語では翻訳できない日本語のフレーズについて話します。
留学生が戸惑う
バンクーバーにいたときはLanguage Exchangeのイベントに頻繁に参加していました。
日本だけではなく、韓国やブラジルなどの生徒とたくさん出会って、彼らの文化について学びました。
日本文化が精通しているので、日本の留学生が戸惑うような表現は一番印象に残っています。
日本語ではよく使うし、言いなれたフレーズはどうしても英語では表現できない。
それにしても丁寧に自分の思考を伝えたくて、一生懸命に説明とします。
英語では表現できないフレーズ#1
どうぞよろしくお願いします!
「ここに来たばかりなので、分からないことだらけですがどうぞよろしくお願いいたします。」
「これ、分からないので、よろしくね!」
日本語では実によく使われているフレーズで、いろんなニュアンスを表します。
けれど、いざ英語で同じようなニュアンスを表現したいと思ったら、
何も頭に思い浮かべない。
こういうことは多くありませんか?
例えば、最初の例:
「ここに来たばかりなので、分からないことだらけですがどうぞよろしくお願いいたします。」
よく聞く翻訳は “I just came here, I don’t know anything. Please be kind/gentle to me.”
実は、よろしくお願いしますのニュアンスはなんとなく伝わるが、
英語しか知らない人から見て、大げさな表現になり、距離感を感じるでしょう。
Please be kind to me. と言われると、どう扱えばいいかわからないような気にさせてしまいます。
英語で丁寧に「ご迷惑かけるかもしれないが」という気持ちを伝えたかったら、日本語から訳すのではなく、英語で考えます。
目的は相手に「丁寧な気持ち」を伝えることですよね、
それは、英語ではどう表現するか、まず似たような状況を観察します。
実は文化的に、英語圏は遠慮する文化ではありません。
つまり、日本ほど丁寧ではないことはほとんどです。
そのために、「よろしくお願いします」と伝える感覚はありません。
迷惑をかけるより、感謝で表したほうがいいかもしれません。
I am so glad to meet you. I just came here and don’t know anything about this place. If will be great to explore the area with you in the future.
「出会えてうれしいです。来たばかりなので何もわからないが、もし今度一緒に遊べたら嬉しいです!」
英語では、しきたりや慣用語より、行動を伝えたほうがはっきりします。
行動や今後の予定など具体的に話し合えば、実際に相手と繋がるし、人間関係は築きやすいです。
よろしくお願いしますと今度伝えたかったら、想像して見てください。
どのように相手と関わりたいのか、直接それを話してもいいかもしれません。
そうすると長期的な関係が築けるし、異文化にも溶け込みやすくなるでしょう。
英語では表現できないフレーズ#2
お疲れ様です。
このフレーズを日本語で話せるようになるには、一ヵ月かかりました。(笑)
はじめての日本の職場で「お疲れ様です」を教えてもらって、習慣になるのに大変でした。
なぜかというと、英語圏には全くありません。
You look tired.
You must be tired.
これはお疲れ様の意味に近い翻訳かもしれませんが、
職場の人に毎日定時に言うフレーズではなく、むしろ身近な人に関心を払う時にしかいいません。
そのニュアンスは「大丈夫?」に近いです。
実は、面白い話があります。
はじめて日本に来たのはJETプログラム、日本政府とカナダ政府の架け橋のような仕事できました。仕事の内容の一つは、学校のALTたちの世話をします。
私がその時仲良くしていたALTの方がいて、とても元気で明るいカナダ人の女の子です。
少し元気すぎるところがありますが、
そんな彼女は新しいALTのためにちょっとした日本語の授業を行いました。
その中に、「仕事を終わるときには、日本ではあるプレーズをみんなに聞こえるように伝えます!さて、一緒に発音してみましょう!ご苦労様です!!」
「ご苦労様です!!」
「そう、そういう感じ、もう一度!」
当時隣にアシスタントをしながら爆笑しました。
日本人の先生も彼女だからと言って、許していたそうです。
もちろん、授業の後ではみんなの日本語を訂正しましたが、
英語圏では尊敬語などはないので、お疲れ様とご苦労様ですを説明するのに精一杯でした。
どんな文化でもほかの文化には伝えられないエッセンスがあります。
それを一生懸命訳して伝えようとするのではなく、
相手の文化だったらどんな感覚で答えるかを観察して感じることが大切です。
そうすると、見えないものが見えてきて、
言葉もますます生きてくるように聞こえます。
秋が来ます
私が住んでいるところでは、すでに葉っぱが黄色くなりはじめています。
2020年の夏は普通ではない夏でしたが、これも人生の経験としてユニークな夏だったと思いたいです。
学校が始まり、次の年のために動き始めて、新たなゴールや期待は生まれてきたと思いますが、これからもまなぶてらすの先生たちとともに小さなチャレンジを一緒に乗り越えていきましょうね。