【数学セラピーとは】
はじめまして。アート講師兼 数学セラピー講師(または単に まなぶてらす講師)のYumiと申します。
この度、こちらのブログを通して皆様に御挨拶出来ることをとても嬉しく思っております。
今回は、私のオリジナル講座「数学セラピー」についてお話しようと思います。
「数学セラピー」とは、どのようなものでしょうか。インターネットで検索してみてもあまりヒットしないかも知れません。あるいはヒットしたとしても私の数学セラピーとは内容の異なるものかも知れません。
では、私(Yumi)の「数学セラピー」とは一体どのようなものなのでしょうか。
その話をする前に、一般的な数学講師のお話をさせてください。
一般的な数学講師は「大学受験のための数学」を教えます。その目的はもちろん「大学受験に合格すること」です。
「大学受験のための数学」を教える予備校や塾は沢山あります。ですから「大学受験のための数学」を教えてくれる先生もたくさんたくさんおられます。私自身もそのような高校生に数学を指導したことが何度かありますし、今も勤務中です。
しかし、私が「本当に助けて差し上げたい」と願っていたのは、大学受験に向かって熱心に取り組んでいる生徒よりもむしろ、「数学が苦手で困っておられる生徒さんたち」でした。そのような生徒たちが私から数学を学んで目に輝きを帯びていくのを目にしていくと、心のうちに深い喜びや感動が込み上げてきました。
【数学セラピー講師を強く目指したく思うようになったきっかけ】
そんなある日、主人が次のようなメッセージをつけて2冊の数学の本をプレゼントしてくれました。「この2冊の本を読んで演習して、数学が分からなくて困っている人を助けてあげてください。」2014年のことでした。
この2冊の本が私に「目からうろこ」の意識改革を起こさせました。
この2冊の本は「語りかける中学数学」「もう一度高校数学」という題名で、数学が得意というよりもむしろ苦手!という人を対象にあたたかく寄り添って語りかけるように数学を指導してくれる参考書です。
この本の著者、高橋一雄先生はこの2冊の著書を使って少年院の子供達にボランティアで数学を教え、数学を通して子供たちが生きることに「前向きな」気持ちになってくれたらと活動しておられます。実際に子供たちが数学を通して「生きる力」を増強しています。
この本に出会った当時、すでに40年間小学生・中学生・高校生に算数・数学を指導しておりましたが、『数学がお好きな方だけでなく苦手な方たちをもっともっとお助けしたい!』そのような気持ちを強めてくれる書でした。
その書から励ましを得ていたころ、KMくんとのお出会いがございました。
「20歳で通信制高校生ですが、数学Ⅰ・数学Aがさっぱり分からなくて数学が原因で2年留年を経験して、なおかつ卒業出来ない方です。なんとか助けてあげてください」と知人から紹介されました。その当の男性KMくんは面談の結果、小学3年生の算数に立ち返って指導する必要がありました。
KMくんの指導をお引き受けしたのが6月で通信制高校の卒業テストは翌年の2月でした。8か月で果たして高校数学までたどり着き、卒業お出来になるのでしょうか。先ずは毎日毎日小学3年生の算数の演習に取り組んでいただくように励ましました。
もうだめだ!と何度も弱音をはく彼と接する時に、前述の2冊の書で意識改革出来た新しい思考が助けになりました。『算数・数学を通して前向きな気持ちに切り替えていただこう!』そう私は思いました。
そして温かく励まし、どんな小さなことも褒めて、達成感を味わっていただくように心がけました。卒業までには数回のレポート提出と定期テストがありました。彼に先ず変化が見られたのは、どれだけ分からなくても真面目に、そして簡単にあきらめることなくレポート課題に取り組まれるようになったことでした。その真剣な姿勢は高校の先生の心を動かしました。
高校の数学の先生が定期テスト前に時間を割いて補習してくださるようになりました。その結果彼は起きている間中、なにかの算数・数学問題を解いているような生活をテスト前には数日間続けられるようになりました。残されていたわずかの期間に彼はこのように一生懸命頑張って、レッスンを始めてから8か月後、念願の高校卒業証書を手にされました。彼の願いが叶って本当に良かったと思いました。
数学セラピー講師とは、数学が苦手で困っておられる方に寄り添って、褒めて、認めて、励まし、辛抱強く、尊厳を重んじてていねいに指導させていただくことなのだと、そしてその苦手意識が少しずつ改善して、辛い気持ちが癒されて行き、問題が解ける喜びに変わっていくお手伝いをさせていただくことなのだということをKMくんの事例から学びました。
これからも算数・数学でお困りの皆様の少しでもお役に立てたらと願っております。