こんにちは、まなぶてらすです。
今回は「意味⇔表現」という対義関係についてと、
そこから「フィクション系の文章(小説物語詩短歌俳句)の読解問題」について書いていきます。
まず、小説物語詩短歌俳句の読解には
「表現から意味を読み取る」or「意味から表現を見つける」
という原則を当てはめることができます。
↑がどういうことか?
そもそも「表現」と「意味」は対義語関係にあります。
正確な意味を載せてもわかりづらいので具体例から説明します。
例えば”死ぬ”という意味を表す表現はたくさんあります。
ざっとこんな感じですかねぇ。まだまだ色々表現の仕方ありますよね。天国に行くという表現もあれば、地獄に落ちるという表現もあります。
このように意味というものは本来一つなんです。しかし、その意味を表す表現方法は無限にあります。
だから小説や物語、詩短歌俳句といったフィクションが生まれていきます。
出題者はまさにそこを問おうとしているのです!
つまり多様な表現から、意味を読み取ることができるのか?
というそういうことです。本来日常生活においても意味を意味のまま伝えるということはないですよね?
例えば、迷惑なお客さんに「帰れよ…」と心の中で思っていても、「ごゆっくりお過ごしくださいませ(ニコッ)」と言葉にしますよね。そんな風に言われてても場合によっては、”心から思ってないな”ということは感じることができます。
まさにこれが表現から意味を読み取るという行為そのものです。
だから小説、物語、詩、短歌、俳句について男が苦手なのは一種しょうがない部分があります。
だって社交性や感性といった部分で女性には生き物として到底及ばないですから
で、つまり、フィクション(小説、物語、詩、短歌、俳句)というのは、ごく普通の意味でも、変わった表現で伝えようとするものだとそういうことです。
音楽の歌詞とか考えればそうですよね。
例えばこのミスチルの歌詞と、
<引用開始>
Mr.Children「手紙」
過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ かけがえのないものに気付きゆくこの頃です
ささいな事に情熱をぶつけ傷つけ合って それさえも微笑みに変わります 今ならば
遠い夏を越えて 秋を過ぎて あなたの事を想うよ 今でも会いたくて 寂しすぎて 愚かな自分を恨みもするけど
過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ 今じゃ別の誰かの胸に眠るはずだよね 花ゆれる春なのに
<引用終了>
このスピッツの歌詞は
<引用開始>
スピッツ「君が思い出になる前に」
あの日もここではみ出しそうな君の笑顔を見た
水の色も風のにおいも変わったね
明日の朝 僕は船に乗り離ればなれになる
夢に見た君との旅路はかなわない
きっと僕ら導かれるままには歩き続けられない 二度とこれからは
君が思い出になる前にもう一度笑ってみせて
優しいふりだっていいから子供の目で僕を困らせて
<引用終了>
表現こそ違うけれど意味しようとしている観念は似ています。
おそらく無数にこのような観念を表した楽曲は探すことができるはずです。
意味は一つだけど表現は無数という原理があるからこそ、フィクションというのは時代を超えて存在するのであり、かつ、受験問題にすることができるのです。
で、フィクション(小説物語詩短歌俳句)を扱った問題の作り方はこの「意味⇔表現」という対義語関係で8割がた説明がついてしまいます。
なので、誤解を恐れずにいうならば、フィクション(小説物語詩短歌俳句)系読解問題は、全部「意味⇔表現」で作られているといっても過言ではないです。
例えば、
<引用開始>
「セロ弾きのゴーシュ(宮沢賢治)」より抜粋
トランペットは一生けん命歌っています。
ヴァイオリンは二色風のように鳴っています。
クラリネットもボーボーとそれに手伝っています。
<引用終了>
この本文からは二通りの問題を作ることができます。
一つは、表現から意味を読み解かせるパターン。
問題:上記の文章を具体的にわかりやすく説明しなさい。
解答:トランペット、ヴァイオリン、クラリネットがきれいに音を奏であっている様子を表している。
と答えることができます。個性的な表現から客観的に意味を読み取るという問題です。
一方、逆パターンもできます。
意味を提示し、表現を見つけさせるパターンです。
問題:上記の3つの文を「ア:擬人法」「イ:直喩法」「ウ:隠喩法」に大別しなさい。(注:解答の重複有り)
解答
トランペットは一生けん命歌っています。=ア
ヴァイオリンは二色風のように鳴っています。=イ
クラリネットもボーボーとそれに手伝っています。=ア
このような問題もできます。表現技法という客観的な”意味”を提示し、逆に表現を探させる問題です。
フィクション(小説物語詩短歌俳句)はこのように
①「意味→表現」
②「表現→意味」
という大原則に従ってほとんどの問題が作られます。
心情も情景描写も基本的にその原則に従っています。事実確認系の問題は出題意図が異なりますが、マイノリティな問題です。
あくまで、ほとんどは、「意味⇔表現」問題です。
フィクションの原理についても書こうと思ったのですが、字数的に多くなるので、ここまでとします。次回に続く・・・・
☆記事の内容まとめ
・意味と表現は対義語
・意味は一つだが、表現は無限にある
・よってフィクションは無限に創造可能
・フィクションを問題として出題する場合、「意味から表現」