まなぶてらす講師のよしのりです。
今回初めてブログの投稿をさせていただきます。
2021年も残りあと少しということで、2022年の大学入試で人物重視の選抜を受けられる、もしくは2022年には大学受験の準備がスタートするという生徒の保護者の方向けに、志望理由書や面接・小論文対策に必要な「自己分析の方法」についての記事を書かせていただきました。
この記事を通して、保護者の皆さまが、お子様の志望理由書や面接・小論文などの対策についてアドバイスができ、受験対策を進める手助けになればと思います。
私はこれまで10年以上、大学入試のサポートに関わらせていただました。
その中で、「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」で行われる志望理由書や面接、小論文などに苦戦する生徒がたくさんおり、できるだけのサポートをしてきました。
今回はそういった入試対策にお困りの生徒の保護者の方向けに、人物評価型の入試の出発点となる「自己分析」に関する内容をご紹介させていただきます。
10年以上に及ぶ指導で見えてきた「自己分析」のポイント
就職や進学など、広い範囲で生徒たちの自己分析をサポートする中で、高校生が「自己分析」を行う時に共通してつまずいているところがわかるようになりました。そして、「この方法で進めれば割とスムーズに進むのではないか」というものが見えてくるようになりました。
それは、入試で必ず問われるポイントを時間軸に沿ってまとめていくという方法です。具体的には、この記事で紹介させていただきます。
また、今後の記事ではより具体的に志望理由書・面接・小論文の対策についての情報発信ができればと思います。
「時間軸」でポイントを整理する
「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」には、共通して問われるポイントがあります。それは、「志望理由」「高校生活」「自己PR」「大学での学び」「進路」「専攻分野」の6つです。
これらを時間軸に沿って並べ替え、それぞれ過去・現在・未来に分けて、生徒自身の考えや経験などをまとめていきます。先ほどの6つをこの時系列に沿って並び替えると以下のようになります。
過去:「高校生活」「自己PR」
これは、高校生活を振り返り、自分が得意とすること、アピールできるポイントなどを探します。つまり、高校生活を振り返ることによって、自己PRのアイデアも浮かんできやすいということです。
現在:「志望理由」「専攻分野」
今進学に関して考えていることが「志望理由」に現れます。また、その中に「専攻分野」に関する考えも含まれてくるので、志望理由と一緒に考えを整理してもらうと良いかと思います。
「未来」:「大学での学び」「進路」
大学でどんなことを学びたいのか、大学卒業後にどのようなキャリアビジョンを描いているのかについて考えをまとめてみてください。
それぞれの要素が他の時間軸に関わるようなことがあっても良いので、時間軸にこだわりすぎず、1つの参考として考えをまとめてみてください。もちろん授業の中でお手伝いさせていただくことも可能です。
考えたことは必ず「共有」
新しいアイデアを出したり、そのアイデアを深めるために、生徒が「一人で考える時間」というのはとても大切です。しかし、一人で考えるだけで終わらせるのではなく、その後は考えたことについてそれを誰かに聞いてもらうという過程を付け足していただきくと、自己分析はより効果的に進められます。
共有する相手は、保護者の方でも友達でも先生でも構いません。実際に考えたことを言葉にして、頭の中を整理することが大切なので、それを忘れないようにしていただくことが重要です。他者と自身の考えたことや経験したことを共有していく中で、自分では忘れてしまっていたエピソードを他の人が思い出させてくれたり、話している最中に自分自身で気づくこともあります。
テーマを決めてとことん掘り下げる
自己分析を始めるときに、自分の性格だったり内面的なものから考え始める方も多いかと思います。しかし、漠然と自分自身を見るというのは意外と難しいのではないでしょうか。
そのため、私は具体的なエピソードを思い出しながら、自己分析を進めてもらうことをおすすめしています。しかし、ただ思い出をつらつらと出していくだけではまとまりがなくなる可能性があります。そのため、「キャリアや専門性に関する」ことを中心に考えてみてください。
もちろん、他のことを考えている時に、急に自己分析のアイデアにつながることもあります。そのため、キャリアや専門性に関するところからぐるぐると考えを広げていくと良いです。
ここでは、時間軸を意識しながら進めると効果的です。例えば、今持っている興味をこれからどう広げていきたいのか(これは現在から未来)、そもそもその興味は何がきっかけなのか(現在から過去)、など何か思いついたことから書き出してみてください。そして、それらが次のポイントにつながってきます。
ブレインストーミングを大切に
自分について考える出発点というのは現在からでも未来からでも、あるいは過去からでも構いません。
また、いきなり入試で使えるような良いアイデアを出そうとすると、なかなか前に進まないことが多いです。とにかくアイデアをたくさん出すことに注力すると良いです。
イメージとしては、散らかった部屋の中で、その時見つけたいものだけを探しているとなかなか見つかりませんが、以前探していたのに見つからなかったものが見つかるというような感じです。
そして、アイデアをたくさん出す時はとにかく考えついたことを紙に書き出してください。この時は、スマホやパソコンで打ち込むよりも、紙に自由に書く方がアイデアはたくさん出しやすいと思います。アナログな考えかもしれませんが、手を動かすことで脳に刺激を与え、いろんなアイデアを出してみてください。
どんなエピソードも「捉え方」と「伝え方」次第
自己分析の途中で、「こんな話でもいいのかな?」「こんな場合でもアピールになるのかな?」と不安になることがあります。これについては、自分がどのように捉えるのかにもよるし、どう表現するかによって伝わり方は全く異なるものになります。
そのため、ご自身でそれがアピールできるものなのかどうかを判断したい場合は、それが自分なりに何かを考えて行動したことだったり、試行錯誤によって学んだことがあるのであれば、基本的には問題ないと判断していただきたいです。
たとえ、自信のないエピソードであったとしても、必ずそれは自分の考えの中に入れておきましょう。そうすると、これまでに経験したり考えていたけれど、忘れてしまっていたアイデアやエピソードにつながる可能性があります。
そしてこういった自己分析をしている中で、内面的なものであるご自身の性格などが見えてくることもあります。
最後までお読みいただきありがとうございました。こちらの内容は「『総合型選抜』〜人物重視の入試のポイント〜」の動画の中でも説明しておりますので、そちらでご覧いただくことも可能です。この記事が、高校生の進路選択に役立つことができれば何よりです。