まなぶてらすのレッスンの中で,インターネットを使って気象庁の気象データをダウンロードし,トンガの火山噴火に関する学びを行ってみましたので紹介します.
少し前になりますが,トンガの火山噴火についてのニュースを見た人も多いと思います.日本では津波警報が発令され,不安な思いをされた方もいたでしょう.海面の変動のほかにも,日本ではトンガの噴火の影響で気圧の変化も見られました.
◆気象衛星ひまわりが観測したトンガ諸島付近の海底火山噴火
15日午後12時40分ごろから同日午後3時50分ごろにかけて気象衛星ひまわり8号が撮影した噴火の画像20枚を編集した。
提供:情報通信研究機構(NICT) pic.twitter.com/FLEsbSqng7
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) January 18, 2022
そこで,レッスンを担当している小学校中学年の杉本さんに,トンガの火山噴火の話をしました.杉本さんのレッスンは,受験や学校の勉強ではなく,本人の興味に合わせながらテーマを柔軟に決める「理科実験」や「フリートーク」のカテゴリーに当たります.日本から遠く離れたトンガでの火山噴火で,日本の気圧が変わるというのは不思議だねということで,気象庁のホームページ(https://www.jma.go.jp/jma/index.html)から一緒に調べることにしました.
早速,気象庁のホームページにアクセスしてもらって気象データを閲覧し,アドバイスしながら杉本さんが気象データから下のグラフを作りました.こちらは釧路の気圧変化で,確かに21時前に数hPaくらいの気圧変化が見つかりました.
本当だ!ということで,日本の他の地点も調べていきます.例えば,高知県室戸岬です.やはり21時前に同じような気圧変化が見られます.
上のグラフのように,他の地点でも気象データを調べると,気圧変化が見られました.遠く離れたトンガと日本,そして地球は,すべてつながっていることが実感できたと思います.
さらに,データを見比べてみると,気圧変化の起こった時間も少しずれているようです.そうすると,比較してみようということで,気圧が一時的に上昇した時間を地図にしてみました.
なるほど,どうも日本列島では南東から北西へ気圧変化が伝わっていったような傾向が見えてきました.下に紹介するウェザーニュースの記事でもより多くのデータで同じ傾向が表現されています.
<トンガの火山噴火の衝撃波か>
今日15日(土)の20時から21時過ぎにかけて、日本全国で一時的な気圧変化が見られました。火山島フンガトンガ・フンガハアパイが午後に噴火した時の衝撃波が到達した可能性があります。https://t.co/p4ofQT1pC8 pic.twitter.com/yEVBFzVxCH— ウェザーニュース (@wni_jp) January 15, 2022
杉本さんは天気や気象に興味があるので,同じように気象庁のデータから,台風の通過時に気圧がどう変化するかをグラフにしてみたこともあります.このグラフも杉本さんが私のアドバイスを参考に自分で作ったものです.
このように,インターネットの発達でこんな学びが可能になってきています.ニュースなどで話題になった現象について,科学的なデータに一般市民もアクセスし,自分で調べたり研究したりすることができます.皆さんも,自分で問いを設定し,調べていくような学びをやってみてはどうでしょうか.