私たちはオンライン家庭教師「まなぶてらす」を運営していますが、特に中学受験を希望するお客さまから、「論説文とはどういうものなの?」と質問をされることがよくあります。
論説文、説明文、随筆文、さらには小論文などなど、「〇〇文」がたくさんあってわかりにくいですよね。
そこで今回は、「論説文と説明文と随筆文の違い」というテーマについて深掘りしていきます。
3つの文章の特徴と読解のコツ
そもそも国語の出題文章には、「論理的文章」と「文学的文章」と二つのジャンルがあります。
分かりやすく言うと、論理的文章は「お堅い文章」であるのに対し、文学的文章は「馴染みやすい文章」です。特徴を以下に簡単にまとめてみました。
国語の2つの出題文章 | |
---|---|
論理的文章 |
・論説文、説明文、随筆文 ・お堅い文章 |
文学的文章 |
・小説、物語、詩、短歌、俳句 ・馴染みやすい文章 |
小学生や中学生にとって、お堅い文章である論理的文章は取っ付きにくく、苦手意識を抱える子が多いですが、文学的文章はストーリーがあり、「感情」を取っかかりとして全体を捉えやすいです。
したがって、「論理的文章が苦手」という子が多く、「論理的文章をどれだけ読み取れるのか」で国語の成績、点数、苦手意識が大きく変わってくると言えるでしょう。
3つの文の共通点と相違点とは?
論理的文章を読み解く上では、先述の「論説文、説明文、随筆文」の3つの文の共通点と相違点について知っておくことが大切です。
しかし、多くの方は「だいたい全部同じようなもの」だと捉えていると思います。確かに、どれも「堅苦しい文章」という点では共通していますが、実は明確に異なる点も存在します。
以下で理解を深めていきましょう。
論説文、説明文、随筆文の共通点
三者の共通点は「事実を元に書かれた文章である」ということです。
小説や物語文が該当する「文学的文章」では、程度の差はあれど、基本的には「フィクション」の世界です。
筆者の主張を「ストーリー」「感情」を用い人間の心を動かすことで読者へと主張をし、「事実であるかどうか」は重要視されません。
一方で、論理的文章である論説文、説明文、随筆文では、「事実ベース」で話が進んでいきます。過去に実際にあったことや現在進行形で現実で起こっていること、はたまた今後起こりうることなどが「事実」「理屈(論理)」を使って論理的に展開されます。
言わば、文学的文章は「心」を使って筆者の主張を伝えるのに対し、論理的文章は「脳」を使って筆者の主張を伝える、といったイメージでしょうか?
したがって、論説文、説明文、随筆文を読み解く時には、「どれだけ感情を取り除いて読めるか」が1つの鍵になります。そして、これこそが小学生、中学生など成長途上にある子どもたちにとって、最も難しい部分になるのです。
論説文、説明文、随筆文の相違点
このように、3つの論理的文章には「事実ベース」という共通点がありますが、一方で異なる点も存在します。
分かりやすいように、以下の表にまとめてみました。
論説文/説明文/随筆文の違い | |
---|---|
論説文 | ・明確な意見がある ・イメージは「政治家」 |
説明文 | ・事実を正確に描写する ・イメージは「専門家」 |
随筆文 | ・事実を基に筆者の感性を主張 ・イメージは「芸能人」 |
同じ論理的文章でも、実はこれだけの違いが存在しています。
少し分かりにくい方は、「筆者のしたいこと」という観点で読み解いてみましょう。
論説文は「自分の主張を伝えたい」という政治家、説明文は「事実を正確に伝えたい」という専門家、そして随筆文は「事実から感じていることを伝えたい」という芸能人。こんなイメージです。
論説文の特徴と読解のコツ
ここでは、論説文の特徴と読解のコツについて深掘りをしていきます。
先述の通り、論説文のイメージは「政治家」です。ここで一度、政治家のスピーチを想像してみてください。
政治家は現実の色々な問題、つまり「事実」を元に政策をスピーチしますよね。「この問題を解決するには、こうしましょう」と、言いたいこと、つまり主張がはっきりしていて、なおかつこの主張を伝えることがゴールです。
では次に、論説文を読みたい人も同時にイメージして下さい。論説文を読みたい人のイメージは「筆者がどう思っているかと知りたい人」です。
「この人だったらこの問題をどう解決するのか知りたい」という人が論説文を読むため、読者の興味の対象は、こまかい内容より、筆者の意見に向かいます。
論説文はマーキングで「理屈を追いやすくすること」が大切
以上のように、論説文は「事実を元にして主張を伝える」ことが目的であるため、「理屈(論理)をどれだけ追えるか」が読み解く上で非常に大切です。
「〇〇だから私はこのように考える」
どれだけ難解な論説文でも、上記の「〇〇だから」の理屈に該当する部分さえしっかり追い切ることができれば、少なくとも読解という点では合格点がもらえます。
そして、理屈を追うには「マーキング」が重要です。マーキングとは、文章中にある特定の言葉にマークをして「読みやすくする」というテクニックの1つで、国語の成績向上としてほとんどの指導者が推奨しているもの。
「しかし」「すなわち」といった接続詞にマーキングするテクニックなどがその代表ですが、他にもたくさんのマーキングすべき言葉があります。
以下に、「これだけは外せない」ものを4つに絞ってまとめてみたので、参考にしてみてください。
マーキングすべき4つの言葉 | |
---|---|
逆説の接続詞 | ・直後に筆者の主張が来やすい ・しかし、だが、けれども |
説明の接続詞 | ・理屈の「要約」 ・つまり、すなわち、このように |
理由の説明 | ・理屈の「補強」 ・〜ため、なぜなら、したがって |
強調語 | ・筆者の主張の中身 ・必要、重要、大事、忘れてはならない |
このような言葉をマーキングしておけば、設問を解きながら「効率的に見返す」ことができるようになります。また、理屈、論理の展開がスムーズに理解できるようになり、筆者の伝えたいことも掴みやすくなるでしょう。
そして、論説文で必ずと言って良いほど出題されるのが「選択問題」です。筆者の主張が論説文のゴールなので、「以下の選択肢から筆者の主張に当てはまるものを選べ」といった問題が出やすいです。
つまり、どれだけ筆者の主張を汲み取れるのかが鍵になるので、そのためにもマーキングでしっかりと対策をしておきましょう。
説明文の特徴と読解のコツ
続いて、説明文の特徴とコツについて取り上げますが、説明文のイメージは「専門家」です。
専門家は、なにかの分野について詳しく説明しますよね。テレビなどで、花粉予防対策について解説してるお医者さんを想像してみましょう。
そのお医者さんは、「花粉の性質」「花粉症の対策」などの「事実・現実」をありのままに伝えることはあるものの、「だからこうしなければいけない」「こうするべきだ」といった主張については控えめです。
この点が「主張」を第一に考える政治家、つまり論説文との大きな違いであり、非常に大切なポイントになります。
また、説明文を読みたがっている人も同時に想像しましょう。意見を聞きたいというより、花粉というものをそもそも知らないから、「花粉自体の知識を深めたい」人が読むのが説明文です。
興味の対象は筆者より、筆者が説明する内容、つまり事実にあります。
説明文の読解のコツ
説明文は論説文とは異なり、筆者の主張ではなく「事実かどうか」が大切になります。したがって、文章内で説明されている事実関係を整理し、明確に理解することが最も大切です。
その上で大切なポイントを以下にまとめました。
説明文読解の3つのコツ | |
---|---|
テーマの理解 | ・文章が扱う主な内容、主題 ・文頭から推測すると読みやすくなる |
段落をまとめる | ・段落ごとに要点を掴む ・事実関係の整理がしやすくなる |
マーキング | ・「事実」にマーキングする ・接続詞などへのマーキングも効果的 |
説明文は論説文と同様に、「事実」をベースとして話が展開していきます。したがって、基本的な対策は論説文と同様に「マーキング」が効果的です。
また、説明文の場合は「何について扱っているのか」の理解が重要になるので、なんとなく読み進めるのではなく、テーマや段落ごとの要点を押さえた上で読み進めると、よりスムーズに内容が整理されてくるでしょう。
そして、説明文で出題されやすいのが「正誤問題」です。説明文は事実をベースとして話が進んでいくため、「以下の選択肢から『当てはまらないものを全て選べ』」といった出題がされやすいです。
これに正解するには、「事実関係を整理する」ことが必要不可欠。上記の対策を忘れずに行いましょう。
随筆文の特徴と読解のコツ
最後に随筆文についてですが、随筆文のイメージは「芸能人」です。
芸能人は必ずしも、勉強が出来て、いい大学を出てるような人ばかりではありませんが、勉強ができなくても、面白い事や鋭い意見を言ったりすれば人気がでます。お笑い芸人やタレントを想像すると分かりやすいでしょう。
つまり、芸能人は「受け手にどう感じさせるか」が魅力であり、これが最大の特徴でもあるのです。
また、芸能人が政治家や専門家と決定的に異なるのは「社会的責任を大きく負う必要がない」という点です。
政治や医療分野などは国民全員が支払っている税金を使っているため、国民のことを考えて発言する必要があります。一方芸能人は、道義的責任はあるものの、税金などが絡んだ社会的責任はありません。
「私はこのように感じました」と発言して、良い意見であればみんなが賛成し、普通の意見であれば興味を持たれない。ただそれだけです。
随筆文はこのような「芸能人」のイメージで、「自分はどう感じたか」を自分なりの言葉で説明する文章のことです。そして、随筆文を読みたい人は「筆者がどう感じているのか興味がある」という人であり、「どう考えているのか」ではない点に注意することが大切です。
随筆文の読解のコツ
随筆文を読み解く上で最も大切なことは「事実と意見を切り分ける」ことです。
先述のように、随筆文は「筆者の意見、感想」に重きが置かれるので、文章内で記述される事実はあくまで「意見を述べるための踏み台」に過ぎません。
したがって、事実をベースとして話を進める論説文や説明文と同じように文章に接してしまうと、筆者の意見よりも事実の方に引っ張られてしまう子が多く、これこそが随筆文の落とし穴になります。
そして、「事実と意見を切り分ける」最も簡単な方法は、「段落で読み方を変える」ことです。
よほど変わった随筆文でない限り、随筆文は「事実→意見」の順番で話が進んでいきます。両者の間には「段落」という切れ目が存在するため、
- ここは事実を述べているんだな
- ここからは事実を基に意見を述べていくはずだ
- これが筆者が最も言いたいことなんだな
このような具合に、段落ごとに読み方、文への接し方を変えると一気に読みやすくなります。
逆に、全ての文章を同じテンションで読んでしまうと、「どこが事実でどこが意見なのか」が理解しにくくなってしまうため、「段落で読み方を変える」ことを強く意識してみてください。
- 論説文は政治家。事実を基にした「強い主張」を読み取ろう。
- 説明文は専門家。「事実関係」を正確に読み取ろう。
- 随筆文は芸能人。事実を基にした「意見、感想」を読み取ろう。
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サービス名 | まなぶてらす |
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運営企業 | 株式会社ドリームエデュケーション |
サービス開始 | 2016年5月 |
授業時間 | 50分 |
授業料 | 1,600円〜 |
以上のように、論理的文章である論説文、説明文、随筆文にはそれぞれの特徴と読解のコツが存在するため、これらを正確に把握して勉強を進めることが大切です。
これが個人単位でできれば良いですが、なかなか難しいのも事実ですよね。
また、塾などを利用して対策をしようにも、「論説文のマーキング方法を教えて欲しい」といった個別のニーズには応えてくれないこともあり、効率的に成績を上げることが難しい部分があります。
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*上記検索結果は2022年8月24日現在
これらの先生は、自分のプロフィールページに「論説文」と記載している先生たちなので、論説文の指導が得意であることの証です。
「国語の指導ができる」ことと、「論説文に特化した指導ができる」ことは似ているようで大きく異なるので、このようなミスマッチを未然に防げるのも「まなぶてらす」の強みです。
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ここでは、そんな国語のおすすめの先生を3人厳選してピックアップしてみました!
いずみ先生:「伝える技術」に強くこだわる先生
- 読解問題から記述問題まで幅広く対応
- 論理的思考力を磨き国語力を着実に伸ばす
- マンガ原作者としての顔も持つ
- 楽しく国語を学びたい方におすすめ
まきえ先生:唯一無二の「音読・朗読・暗唱」専門講師
- 17年にわたり関西大手進学塾に勤務
- 音読、朗読、暗唱の観点で国語を読み解く
- 「朝の10分間音読」などユニークな取り組みを実施
- 国語を違った角度から理解したい方におすすめ
Lisa先生:講師一本でやってきた筋金入りの先生
- 学生時代から講師一筋10年以上
- 進学集団塾で国語講師を11年にわたり担当
- 「ほぼ100%合格」の漢検指導実績アリ
- 経験豊富な先生を探している方におすすめ
それぞれの文の特徴を掴んで対策を進めていこう
論理的文章に分類される論説文、説明文、随筆文は、それぞれに特徴と読解のコツが存在しています。
これらを「似たようなもの」と考えていては、ただ漠然と問題を解き進めるだけになってしまい、効果的な対策は難しいです。
それぞれの特徴を掴み、適した対策を進めていき、効率的に国語の成績を上げていきましょう。
また、小論文や論説文は高校入試や大学入試の指定校推薦にて採用される試験形式でもあります。
記事で紹介した情報を参考にして、入試対策に役立ててみてください。
なお、指定校推薦には筆記試験だけでなく面接があることが一般的です。
両者をしっかり対策することが合格への近道なので、指定校推薦の面接対策について気になる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。